ドバイは経済的発展が著しく、税制面での魅力もあるため、日本からも移住を希望する人が増えてきました。一方、実際に移住した人からは思わぬデメリットの声も聞こえてきます。
今回は、ドバイ移住の代表的なデメリットを整理し、それらの克服方法について解説します。ドバイ移住に向いている人、向いていない人も紹介します。
ドバイ移住を考える前に知っておくべき主なデメリット
ドバイは華やかな都市としての一面が強調されがちですが、実際に住むとなると厳しい側面も見えてきます。ここでは、ドバイ移住を決める前に知っておくべき主なデメリットについて解説します。
- 1年中猛暑で気候が厳しい
- 物価が高く生活コストがかかる
- イスラム教のルールに適応する必要がある
1年中猛暑で気候が厳しい

ドバイの気候は日本とは大きく異なり、1年の大半が猛暑です。夏季の気温は50度を超える日もあり、日常生活に大きな影響を与えます。日中の外出は危険を伴うため、ほとんどの人が屋内で過ごします。エアコンが欠かせない生活となり、電気代も高くなりがちです。
また、湿度も高く、夏場は外に出るだけで体力を奪われるほどの暑さです。冬季は比較的過ごしやすいですが、それでも日中は30度に達することもあります。日本の四季とは異なる気候に体が慣れるまでに時間がかかるでしょう。
物価が高く生活コストがかかる
ドバイは家賃や食費、生活用品の価格が高く、日本と比べても生活費がかかります。近年、不動産価格が高騰しており、人気エリアでの家賃は軒並み高騰しています。東京の都心部と比べても高額で、単身者向けのスタジオタイプ(ワンルーム)でも月10万円を超えます。
外食の料金も高く、カジュアルなレストランでも日本より割高です。また、輸入品が多いため、スーパーでの買い物も高額になりがちです。
イスラム教のルールに適応する必要がある

ドバイはイスラム教の国です。日本人にとっては馴染みのない宗教的な規則が多く、それに適応する必要があります。ラマダン(断食)期間中は、日中の公共の場での飲食が禁止されます。これは観光客や外国人居住者も対象となるため注意が必要です。
戒律により、アルコールの購入や飲酒には制限があります。飲酒できるのは特定の場所に限られており、自宅で飲む場合も許可が必要です。
ドバイはイスラム圏の中では寛容ではありますが、それでも日本の価値観とは大きく異なります。イスラム教の文化・慣習を尊重する生活が求められます。
ドバイでの生活に関わるデメリット
観光地としてのドバイと、生活の場としてのドバイは異なります。ここでは、実際に住んでみて感じる生活上のデメリットを解説します。
- 医療費が高い
- 教育費が高い
- 交通手段として車が必須
- 娯楽の選択肢が限られる
医療費が高い
ドバイの医療水準は高いですが、医療費は高額です。日本のような公的な健康保険がないため、病院にかかる際は高額な医療費を支払う必要があります。
充実した医療サービスを受けるためには、民間の医療保険への加入が必須です。ただし、高品質な保険は月額数万円かかり、経済的な負担となります。家族で移住する場合は、医療費の負担がさらに大きくなります。
教育費が高い
ドバイでは、外国人は基本的に私立のインターナショナルスクールに通います。そのため、教育費が高額になりがちで、家族帯同での移住を考えている人にとっては負担となります。
インターナショナルスクールの学費は年間数百万円かかることも珍しくなく、その他の教材費や送迎費も加わると、さらに負担が増します。
交通手段として車が必須
ドバイは公共交通機関が整備されているとはいえ、生活の利便性を考えると車がほぼ必需品となります。メトロやトラム、バスがあるものの、路線が限られており、移動には時間がかかります。
車を所有する場合、駐車場代やガソリン代、保険料などの維持費が発生します。また、交通量が多く運転マナーも日本とは異なるため、慣れるまでは注意が必要です。
娯楽の選択肢が限られる
ドバイは観光都市としてのイメージが強いですが、実際に住んでみると、日本のように多種多様な娯楽施設があるわけではありません。ライブハウスや小劇場、カラオケ店など、気軽に楽しめる娯楽施設は少ないのが現状です。
娯楽施設の多くが高級志向で、カジュアルに楽しめる場所が限られています。そのため、趣味やリラックスの方法を自分で見つける必要があります。
ドバイに住む上でのデメリットの克服方法
ドバイでの生活にはいくつかのデメリットがありますが、工夫次第で快適に過ごすことができます。ここでは、ドバイでの生活をより快適にするための具体的な方法について解説します。
- 暑さのしのぎ方
- 生活費の節約の仕方
- 娯楽の少なさを活かしてビジネス・勉学に集中する
暑さのしのぎ方
ドバイの猛暑は避けられず、外出を楽しむことはできないものの、工夫次第で屋内での生活を快適にできます。ずっと家に閉じこもると心が塞いでしまうので、ショッピングモールやカフェ、コワーキングスペースなどの屋内施設を活用することも一つの方法です。
ドバイには広大なモールが多く、買い物だけでなく仕事や娯楽の場としても利用できます。避暑を目的に夏季に他国へ旅行する移住者も多く、長期休暇を活用することで暑さのピークを乗り切れます。
生活費の節約の仕方
ドバイの物価は高いですが、節約の工夫次第で生活コストを抑えられます。家賃を節約するには、中心部から少し離れた新興開発エリアに住むのがおすすめです。郊外には比較的手頃な価格の物件もあり、コストパフォーマンスの良い住宅地を選ぶことで家計の負担を軽減できます。
食費を抑えるためには、外食を避け自炊を心がけます。地元のスーパーで食料品を購入すれば、比較的安く食材を調達できます。中東やインド系のスーパーでは、リーズナブルな価格で購入できます。
娯楽の少なさを活かしてビジネス・勉学に集中する
ドバイは日本のように気軽に楽しめる娯楽が少ないのですが、その環境を活かして自己成長に時間を割くことができます。娯楽に費やす時間が少ない分、仕事や勉強に集中しやすい環境が整っているといえるのです。
ドバイはビジネスの拠点としても優れており、起業を目指す人にとっては大きなチャンスが広がっています。外国人でも法人設立が比較的容易であり、日本と比べて税制面での優遇されているため、新たなビジネスに挑戦するには最適な環境です。
ネットワーキングイベントやビジネスセミナーが頻繁に開催されており、世界中の起業家や投資家と交流する機会も多くあります。
勉学の面でも、ドバイには高品質な教育機関や研修プログラムが充実しています。英語やアラビア語の習得を目的に語学学校に通うのも一つの方法ですし、オンライン学習を活用してのスキルアップも可能です。
ドバイに在住しているという環境を最大限に活かし、自己成長に投資して、長期的なキャリアアップを目指せます。
ドバイ移住に向いている人・向いていない人
ここまで見てきたように、ドバイ移住にはデメリットもあり、すべての人に移住が適しているわけではありません。自身の経済的な環境に加え、文化・生活習慣の違いに適応できるかどうかも重要なポイントです。ここでは、ドバイ移住が向いている人と向いていない人の特徴について解説します。
ドバイ移住が向いている人の特徴
ドバイはビジネスチャンスが多く、成長意欲のある人にとっては理想的な環境が整っているといえます。税制メリットを活かせる高収入の人、起業や投資を目的としている人、娯楽よりビジネスに集中できる人にとっては、非常に魅力的な移住先となります。
- 高収入を得られる仕事を持っている人
- 起業・投資目的で渡航する人
- 娯楽よりビジネスに集中できる人
高収入を得られる仕事を持っている人
ドバイの物価は日本よりも高いため、十分な収入がある人が向いているといえるでしょう。外資系企業や専門職に就いている人は、高収入を得られる可能性が高いため、ドバイ移住のメリットを最大限に享受できます。
また、ドバイはタックスヘイブン(租税回避地)として有名で、圧倒的な節税メリットがあります。所得税、住民税、固定資産税、相続税、贈与税がありません。法人税も9%と低く、小規模法人には非課税枠も存在します。
税金が安いと、収入のほぼすべてを手元に残すことができ、資産形成の観点からも大変魅力的です。この節税メリットを求めて、世界中の資産家・富裕層がドバイ移住に熱い視線を送っているのです。
起業・投資目的で渡航する人
ドバイはビジネスの拠点としての魅力が高く、法人設立の手続きが比較的簡単です。法人税の優遇措置もあり、海外市場を視野に入れたビジネスを展開したい人にとっては、申し分のない環境といえるでしょう。
投資の面においても、ドバイは魅力的です。不動産投資の分野では、不動産価格が右肩上がりを続けていて、キャピタルゲイン・インカムゲインの両方を狙えるチャンスがあります。
また、ドバイは暗号資産にフレンドリーな国として知られています。世界最先端のIT都市を目指しているドバイは、Web3.0(ウェブスリー)やクリプト技術の開発者・研究者が募っていて、Web3.0関連のエコシステムが形成されています。
暗号資産投資によって資産を築いたとしても、ドバイはキャピタルゲイン税(譲渡所得税)が0%なので、日本のように税金をたくさん取られる心配がありません。
娯楽よりビジネスに集中できる人
前述したように、ドバイでは日本のように気軽に楽しめる娯楽が少ないですが、その分、仕事や勉強に集中しやすい環境が整っています。人生の何年かはとことん自己成長に時間を費やし、スキルアップやキャリアアップに時間を割きたい人にとっては、非常に適した環境といえるでしょう。
ドバイ移住が向いていない人の特徴
一方で、ドバイの環境や生活スタイルに適応できない人にとっては、移住がストレスの原因となる可能性があります。コストを抑えた生活を求める人や、異文化に馴染むのが難しいと感じる人にとっては、ドバイ移住は厳しい選択肢となるでしょう。
- 低コストの生活を求める人
- 異なる文化への適応が難しいと感じる人
- 娯楽・リラックスを重視する人
低コストの生活を求める人
ドバイは家賃や生活費が高いため、節約志向の人には向かないといえるかもしれません。
物価の安い国でのんびり暮らしたいと考えている人、リタイア後に年金程度の生活資金で暮らしたいと思っている人にとっては、ドバイは適していません。家賃や食費が高額になるため、一定の経済的余裕がないと、ストレスを感じながら生活する羽目になるでしょう。
異なる文化への適応が難しいと感じる人
ドバイはイスラム文化圏であり、ドバイで生活するにはイスラムのルールやマナーを尊重する必要があります。日本とは大きく異なる価値観に順応できない場合、日常生活でストレスが多くなるでしょう。ラマダン期間中の飲食の制限や、アルコールの規制、服装のマナーなど、日本とは異なるルールに適応できるかどうかが重要なポイントとなります。
娯楽・リラックスを重視する人
ドバイは高級リゾートや観光名所が多い一方、日本のように気軽に楽しめる娯楽施設は限られています。居酒屋で気軽に飲んだり、温泉に行ったり、手頃な価格でライブやイベントを楽しんだりする機会は少ないでしょう。日本的な娯楽やリラックスタイムを重視する人にとっては、生活の満足度は高くない可能性があります。
まとめ
ドバイ移住には、圧倒的な節税メリットやビジネスチャンスの豊富さといった魅力があります。その一方で、猛暑や物価の高さ、イスラム文化のルールへの適応、娯楽の少なさなど、生活する上でのデメリットもあります。
ドバイでの生活が向いている人は、自己成長に集中し、ビジネスや投資で成功をつかみたいと考えている人です。自分の可能性に賭けて、全力で働いて稼ぎ、贅沢にバカンスをとって避暑地に旅行に行くような生活スタイルを送る人だといえます。
ドバイ移住を決断する前に、自分のライフスタイルや価値観がドバイに合っているかを慎重に見極める必要があります。まずは、短期間の滞在を通じて、実際の生活環境を体験してみましょう。ドバイの魅力だけでなく、デメリットについても理解した上で、納得のいく移住計画の立案をおすすめします。