ドバイは、中東地域における経済活動の中心地として、世界中の投資家から熱い視線を集めています。不動産、株式、暗号資産など、多様な分野で投資機会が広がっており、その魅力はますます高まっています。
今回は、それぞれの市場の最新動向と魅力、投資に伴うリスクについて解説します。
ドバイが投資先として注目される理由
ドバイはグローバル経済の中心地として、そのプレゼンスを増しています。かつては石油収入に大きく依存していましたが、現在では観光、金融、テクノロジー、不動産などの多様な分野へと経済の軸を移し、成長を続けています。
ドバイの経済成長と投資環境
ドバイ経済は、政府の積極的な外国資本の流入政策により、ここ数十年で急速に成長を遂げています。ドバイ政府は「ドバイ・エコノミック・アジェンダD33」という長期経済戦略を打ち出し、2033年までにGDPを倍増させる目標を掲げています。このような成長計画により、今後も投資環境が整備され、海外からの資本流入が期待されています。
GDP成長率と市場規模
ドバイのGDP成長率は近年安定しており、2024年には前年比2.89%の成長を記録しました(※)。主要産業として観光、不動産、金融、貿易が挙げられます。観光業は、国際的な展示会やイベントの開催、ラグジュアリーホテルの拡大、テーマパークやショッピングモールの発展などにより、大きな成長を遂げています。
人口増加と富裕層の流入
ドバイの人口は近年急増しており、ドバイ統計センターの「Population Clock」によると、ドバイの人口は現在391万人です。海外から高所得層の移住者が増えており、不動産市場や金融市場における投資の活性化に寄与しています。
外資規制の緩和と投資の自由度
ドバイは、近年の外資規制の緩和により、外国企業や個人投資家にとって参入しやすい環境となっています。ドバイには「フリーゾーン」と呼ばれる特別経済区域があり、外国資本100%の企業が設立できます。
ドバイの税制優遇とフリーゾーン
ドバイは、税制面でも投資家にとって魅力的な都市です。所得税がゼロであるだけでなく、キャピタルゲイン税や相続税も課されません。投資家にとっては、大きなメリットを享受できます。
法人税は2023年から9%が適用されるようになりましたが、年間法人所得が37万5,000ディルハム(約1,500万円)以下の企業は法人税が免除されます。
ドバイの不動産投資の魅力
ドバイへの投資を考える際に、最初に検討すべきなのは不動産投資です。ドバイの不動産投資市場は、世界の主要都市と比較しても高い利回りを誇り、投資家にとって非常に魅力的となっています。ここでは、ドバイの不動産投資の魅力について解説します。
ドバイ不動産市場の現状と今後の見通し
ドバイの不動産市場は、2008年リーマンショックの直撃を受けたドバイショック後、力強い回復を遂げました。特にコロナ禍明けの2021年以降、外国人投資家・経営者の流入が増え、住宅価格や賃料が急上昇しました。
今後の見通しとしては、人口の増加により、住宅需要が引き続き拡大すると予測されています。ドバイ政府は居住ビザ制度を拡充し、外国人移住者の受け入れを強化しているため、不動産市場はさらなる成長が期待されているのです。
ドバイ不動産投資のメリット
ドバイでの不動産投資は、投資家にとって多くの魅力的なポイントがあります。
- 高利回りが狙える
- キャピタルゲインが狙える
- 今後も賃貸需要が継続する
高利回りが狙える
ドバイの不動産は、他の主要都市(ニューヨークやロンドン、東京など)と比較しても高い利回りを誇ります。エリアや物件の種類によって異なりますが、平均的な利回りは6~10%とされています。
ドバイ・マリーナ、ダウンタウン・ドバイ、ジュメイラ・ビレッジ・サークルなどは、高利回りエリアとして特に人気があります。これに対し、ロンドンや東京の利回りは2~4%程度にとどまるため、ドバイ市場がいかに魅力的かわかります。
キャピタルゲインが狙える
ドバイの不動産市場は長期的に見ても成長傾向にあり、キャピタルゲイン(物件の売却益)を狙うことができます。新規開発が進むエリアでは、今後の価格上昇が期待される物件が多く存在します。
パーム・ジュメイラ、エミレーツ・ヒルズ、ドバイ・クリーク・ハーバーなどの高級住宅街に建つヴィラ(戸建て住宅)や都心部に建つアパートメント(マンション)は、価格が急上昇しており、キャピタルゲインを期待する投資家にとって非常に魅力的な市場となっています。
今後も賃貸需要が継続する
ドバイでは、人口の増加や観光業の拡大により、賃貸需要が非常に安定しています。住宅、オフィス、ホテル需要が今後とも旺盛に推移することが予想されるため、不動産市場は成長が予測されているのです。
不動産投資のリスクと注意点
ドバイ不動産にはメリットが多い一方で、投資する際には考慮すべきリスクもあります。
- 為替リスク
- 法律や制度の変更リスク
- 投資詐欺に遭うリスク
為替リスク
ドバイの通貨(ディルハム)はアメリカドルにペッグされているため、アメリカドルの変動による影響を受ける可能性があります。海外投資に為替リスクは避けられないため、為替リスクに負けないパフォーマンスを目指す必要があります。
法律や制度の変更リスク
ドバイでは、これまで外国人の不動産所有が許可されているエリアが拡大されてきましたが、今後の規制変更には注意が必要です。税制も改正される可能性もあるため、最新の法令の改正情報をチェックするようにします。
投資詐欺に遭うリスク
ドバイの不動産投資が大きく注目されるのにともなって、詐欺案件も報告されています。信頼できるエージェントをパートナーに選ぶようにしましょう。
エリア別おすすめ投資先
ドバイには多数の不動産投資エリアがありますが、目的に応じて最適なエリアを選ぶようにします。
- ドバイ・マリーナ
- ダウンタウン・ドバイ
- パーム・ジュメイラ
ドバイ・マリーナ
ドバイ・マリーナは、高級住宅エリアとして人気があり、ウォーターフロントに位置し、富裕層や外国人駐在員に支持されています。賃貸需要が高く、平均6~8%の高利回りが期待できます。
ダウンタウン・ドバイ
ダウンタウン・ドバイは、ブルジュ・ハリファやドバイモールがある商業の中心地であり、観光需要とビジネス需要の両方が高いエリアです。短期賃貸市場(Airbnbなど)にも適しており、投資家にとって収益性の高い選択肢となります。
パーム・ジュメイラ
パーム・ジュメイラは、人工島に作られた高級リゾートエリアであり、超富裕層向けの不動産が多数存在します。物件価格の上昇が見込まれ、長期的な資産価値の向上を期待する投資家にとって魅力的なエリアです。
ドバイの株式・債券投資の可能性
ドバイは不動産や観光業だけでなく、金融市場の整備も進んでおり、株式や債券への投資機会が広がっています。ここでは、ドバイの株式・債券投資の可能性について解説します。
ドバイ金融市場の基本情報
ドバイの金融市場には、主に DFM(ドバイ金融市場) と NASDAQ Dubaiの2つの主要取引所があります。これらはUAEの経済成長を背景に発展してきましたが、欧米や日本の市場と比較すると、規模はまだ小さく、流動性に課題があるとされています。
日本でも買えるドバイ関連ファンド
日本国内の証券会社を通じて、ドバイを含む中東市場に投資できるファンドがいくつか存在します。直接DFMやNASDAQ Dubaiに投資するのは難易度が高いのですが、投資信託を活用することで比較的簡単にドバイ市場へアクセスできます。
SBI証券のドバイ・アブダビ株ファンド
ドバイ・アブダビ株ファンドは、アラブ首長国連邦(UAE)の主要な株式市場である DFM(ドバイ金融市場) と ADX(アブダビ証券取引所) の企業に投資するものです。
ETF(上場投資信託)による投資
ドバイ市場を含む新興市場に投資できるETFもあります。米国ナスダックに上場している「iShares MSCI UAE ETF」は、UAE市場全体に分散投資できる商品として知られています。日本国内の一部の証券会社でも購入できます。
ドバイで証券口座を開設する方法
より本格的にドバイの株式・債券市場に投資したい場合、現地の証券口座を開設するという方法もあります。これにより、日本国内では購入できない個別株や債券にもアクセスできます。
eToro(イートロ)のソーシャルトレーディングを活用する
eToroは、多様な国の株式やETFにアクセスできるオンライン証券プラットフォームで、ドバイの市場にも対応しています。eToroでは、他の投資家の取引をコピーする「ソーシャルトレーディング」機能があり、初心者でもドバイ市場への投資を始めやすい点が特徴です。
ドバイの暗号資産投資
ドバイは暗号資産(仮想通貨)に対して積極的な姿勢を示しており、政府主導での法整備やブロックチェーン技術の活用が進められています。
ドバイは暗号資産フレンドリーな都市
ドバイは、暗号資産およびブロックチェーン技術の導入に積極的であり、政府レベルでさまざまな施策が講じられています。
2022年、ドバイ政府は「暗号資産規制庁(VARA: Virtual Assets Regulatory Authority)」を設立し、暗号資産関連のビジネスを監督する機関を整備しました。透明性のある市場環境が確保され、詐欺や違法取引のリスクを抑える仕組みが構築されています。
さらに、ドバイはBinance(バイナンス)やCrypto.comなどの大手暗号資産取引所の誘致を積極的に進めています。世界的な取引所がドバイに拠点を置きやすくなり、投資家にとって利便性の高い環境が整っているのです。
キャピタルゲイン税が無税という圧倒的メリット
暗号資産投資において、ドバイの最大の魅力の一つがキャピタルゲイン税(売却益にかかる税金)がゼロであることです。
日本では暗号資産の売買で得た利益は「雑所得」とされるので、最高45%の所得税と10%の住民税が課税されます。ドバイではこれがゼロとなるため、暗号資産取引で得た利益を最大限に享受ができます。
暗号資産投資のリスク
ドバイは暗号資産投資に適した環境を提供していますが、市場にはいくつかのリスクが存在します。
暗号資産市場は、他の金融市場と比べて価格変動が激しいことが特徴です。大きな利益を得られる可能性がある一方で、急激な価格下落による損失リスクも高まります。
また、詐欺やハッキングのリスクも高まっています。特に、新興の暗号資産プロジェクトやDeFi(分散型金融)プラットフォームに投資する際には、事前に十分なリサーチをしましょう。
ドバイ投資で得られるビザ・移住のメリット
ドバイは、投資を通じて長期滞在を希望する外国人に向けて、さまざまな種類のビザを提供しています。不動産投資や法人設立を通じて取得できるビザは、移住やビジネス展開を考える投資家にとって大きな魅力です。
投資によるビザの種類と取得条件
ドバイでは、一定額の投資を行うことで長期滞在が可能なビザを取得できます。主な投資家向けのビザには、不動産投資ビザ、法人設立ビザ、ゴールデンビザなどがあります。それぞれのビザの取得条件やメリットを解説します。
不動産投資ビザ
不動産投資ビザ(Property Investor Visa)は、ドバイで一定額以上の不動産を購入した投資家が取得できるビザです。
取得条件としては、75万ディルハム(約3,000万円)以上の不動産を購入する必要があり、対象となるのはドバイ政府が認定したフリーゾーンまたは特定のエリアにある不動産です。
このビザを取得すると、3年間の長期滞在が可能となり、更新もできます。ドバイで銀行口座を開設したり、ビジネスライセンスを取得したりする際に有利になります。家族(配偶者や子供)を帯同できるため、家族単位での移住を考える投資家にも適した選択肢です。
法人設立ビザ
法人設立ビザ(Investor Visa / Business Visa)は、ドバイで企業を設立し、ビジネスの展開によって取得できるビザです。
このビザを取得するには、ドバイまたはUAE内で法人を設立します。フリーゾーンまたはメインランド企業のいずれかを選択でき、最低資本金要件はフリーゾーンによって異なりますが、一般的に5万~15万ディルハム以上とされています。
法人設立ビザは通常3年間有効で、更新が可能です。また、6ヶ月に1度ドバイに入国する必要がありますが、日本を拠点としながらドバイ法人の経営も可能です。
ゴールデンビザ
ゴールデンビザ(Golden Visa)は、ドバイおよびUAE政府が優秀な人材や富裕層を誘致する目的で設けた、もっとも特典の多い長期滞在ビザです。このビザを取得すると、最大10年間の滞在が可能であり、頻繁な更新の手間を省けるのが大きな利点です。
不動産への投資によってゴールデンビザ取得の要件を得られます。最低投資額は200万ディルハム(約8,000万円相当)以上の不動産を購入する必要があります。物件はドバイ政府が認めたものであること、購入後の所有権が申請者にあることが求められます。
ゴールデンビザの最大のメリットは、10年間の長期滞在が可能であり、更新ができる点です。ドバイに住み続ける義務がないため、海外に住んでいてもビザの有効性が保たれます。家族の帯同も可能です。
まとめ
ドバイへの投資を考えるならば、まずは不動産投資を検討しましょう。また、株式、債券、暗号資産への投資も魅力的であり、税制優遇や高い利回りとともに、居住ビザの取得といった特典もあります。
ドバイへの投資には、規制変更や市場変動などのリスクも存在するため、最新情報を把握するようにします。何よりも、信頼できるエージェントを味方につけることが最優先事項となるでしょう。