ドバイでの賃貸は、国際都市ならではの需要の高さと法制度の整備により、外国人でも安心して始められるのが大きな魅力です。人口増加や投資の流入にともない市場は拡大を続けており、今まさに賃貸住宅を検討する価値があります。
今回は、初めてドバイで物件を借りる方に向けて、人気エリアの特徴から契約の流れ、注意すべきポイントまでを総合的に解説します。
ドバイの賃貸不動産市場の基本情報
ドバイの賃貸市場は、外国人が安心して住まいを探せる環境が整っており、世界中の移住希望者や投資家から大きな関心を集めています。外国人労働者が中長期で滞在するため、エリアごとに幅広いライフスタイルに対応した物件が充実しています。
ドバイ不動産市場が注目される理由
経済発展と人口増加に加え、交通網や都市インフラの整備が進んだことが市場拡大の大きな要因です。中東の金融・ビジネス拠点として多国籍企業が集まり、安定した住宅需要が生まれています。さらに空港や道路網の充実が生活利便性を高め、居住地としての魅力を一層強めています。
安心できる法制度と外国人保護
ドバイでは不動産取引に関する法整備が整い、外国人でも安全に賃貸契約を結べます。UAEは外国人の権利保護を重視しており、EJARI制度により契約内容が政府に登録されるため、トラブル防止や法的保護が確保されています。
ドバイの賃貸市場の最新動向と今後の見通し
コロナ禍を経て需要は回復し、現在も上昇基調にあります。政府はビザ要件の緩和や長期滞在制度を導入し、定住希望者の増加を後押ししています。これによりファミリー層や個人のニーズが安定的に支えられ、観光業の回復とあわせて今後も堅調な拡大が見込まれます。
ドバイで借りられる賃貸住宅の種類
ドバイでは、居住者のライフスタイルや家族構成、滞在期間に合わせて多彩な住宅タイプが用意されています。
アパートメント
もっとも一般的なのはアパートメントで、日本のマンションに相当します。高層ビル型の物件が中心で、都市部を中心に豊富に供給されています。プールやジム、24時間セキュリティなどが整った物件も多く、利便性と快適性を兼ね備えています。
ヴィラ
ヴィラは広い敷地や庭、プライベートプールを備えた戸建て住宅です。静かな住環境を求めるファミリー層に人気があり、ゲート付きの高級住宅街で多く見られます。家賃は高めですが、広さやプライバシーを重視する人に適しています。
タウンハウス
タウンハウスは連棟式の中層住宅で、アパートメントとヴィラの中間的な位置づけです。住宅街として整備されていることが多く、子育て世帯や長期滞在者に支持されています。庭付き物件もあり、ヴィラほど高額ではないため手が届きやすい選択肢です。
サービスアパート
短期から中期の滞在者向けに提供されるのがサービスアパートです。家具・家電付きに加え、清掃やランドリーといったサービスが付帯しており、ホテルに近い利便性を備えています。出張や試験的な移住に適しています。
家具付き住宅と家具なし住宅
賃貸物件には家具付きと家具なしの2種類があります。短期滞在者には入居直後から生活できる家具付きが便利で、長期滞在者はインテリアを自由に選べる家具なしを好む傾向があります。
ドバイの不動産の賃貸住宅の人気エリア
ドバイはエリアごとに住宅タイプや家賃相場、住み心地が大きく異なるため、自分のライフスタイルや通勤環境に合った地域を選ぶことが重要です。
ダウンタウン・ドバイ
ダウンタウン・ドバイは「ブルジュ・ハリファ」や世界最大級の「ドバイ・モール」がある中心エリアで、都市的な暮らしを楽しみたい人に人気です。家賃は高めですが、利便性の高さと洗練された都市空間が大きな魅力です。
ドバイ・マリーナ
ドバイ・マリーナは、海に面した景観と活気あるナイトライフが特徴で、高層レジデンスが立ち並ぶ国際的なエリアです。プール付きやオーシャンビューの物件も多く、欧米人を中心とした外国人居住者が多いため、多文化な雰囲気を楽しめます。
ジュメイラ・ビレッジ・サークル
ジュメイラ・ビレッジ・サークル（JVC）は、比較的新しい住宅街で、手頃な家賃と落ち着いた環境が魅力です。タウンハウスや低層アパートメントが多く、ファミリー層に適しています。中心部へのアクセスも良好で、生活の利便性も高く評価されています。
ドバイの不動産の賃貸借契約の流れ
ドバイでは法整備が進んでおり、借主と貸主双方を守る仕組みが整っています。ただし、日本とは商慣習が異なるため、事前に流れを理解して準備しておくことが重要です。ここでは賃貸契約までの一般的なステップを順に解説します。
- 不動産エージェントに連絡する
- 物件を内覧する
- オーナーと条件交渉する
- セキュリティデポジットを支払う
- 賃貸借契約を締結する
- 物件を引き渡してもらう
Webなどで物件を探す
最初のステップはインターネットで物件を探すことです。Bayut、Property Finder、Dubizzleといった大手不動産ポータルには多数の物件が掲載され、家賃や立地、間取り、共用施設、ペット可否など細かな条件で検索できます。さらにGoogleマップやSNSで周辺環境や治安、スーパーやモスクの位置を調べると生活イメージがつかみやすくなります。候補物件はスクリーンショットを残し、比較検討に備えましょう。
不動産エージェントに連絡する
気になる物件が見つかったら、掲載されている不動産エージェントに連絡します。オーナーと直接交渉することも可能ですが、通常はRERA（Real Estate Regulatory Agency）登録の正規エージェントを介するのが安心です。契約や交渉の手続きを代行してくれるほか、現地独自の商習慣やルールについても助言してくれます。日本語対応のエージェントや海外赴任者向けサポートを行う会社も存在します。
物件を内覧する
次に現地で内覧を行い、写真と実物の差異を確認します。部屋の広さや日当たり、収納、設備の状態などをチェックするとともに、建物の管理状態や共用施設の清潔さ、警備体制も確認しましょう。住民の雰囲気や騒音レベルも把握しておくと、入居後のトラブル回避につながります。
オーナーと条件交渉する
物件を決めたら条件交渉に進みます。ドバイでは家賃の支払い回数、家具の有無、ペットの可否、エアコンのメンテナンス負担など交渉可能な項目が多くあります。希望がある場合はエージェントを通じて積極的に伝えましょう。
セキュリティデポジットを支払う
合意に至ったら、敷金に相当するセキュリティデポジットを支払います。相場は年間家賃の5～10％で、退去時に大きな損傷がなければ返金されます。ただしクリーニング代や修繕費が差し引かれることもあるため、入居時に室内を写真で記録しておくことが有効です。
賃貸借契約を締結する
次に正式な契約書を取り交わします。契約書は英語で作成され、契約期間や家賃、支払いスケジュール、違約金、設備や家具のリスト、管理責任などが明記されます。不明点があればエージェントや法律専門家に確認することが推奨されます。
物件を引き渡してもらう
契約後は鍵の受け渡しとともに各種登録を行います。まず必須なのがEJARIへの登録で、これがないとDEWA（ドバイ水道電力局）の契約やビザ更新ができません。EJARI登録後はDEWAアカウントを開設し、電気・水道の利用を開始します。必要書類はパスポートやビザ、賃貸契約書、EJARI登録証などで、手続きはオンラインで完結することが多いです。
ドバイの不動産の賃貸住宅契約に関する注意点
ドバイの賃貸契約には日本と異なる法律や慣習があり、正しく理解しておかないと後々トラブルに発展する可能性があります。契約前に必ず押さえておくことが重要です。
契約期間
基本は1年間の定期契約で、更新の際には新たに契約書を交わす必要があります。短期滞在者向けにはサービスアパートメントなどがありますが、一般の賃貸より家賃は高めです。
家賃の支払い方法
一般的なのは「後日付小切手（Post-Dated Cheque）」を用いた分割払いです。1年分を1回、2回、4回などに分けて支払うのが通例で、契約時に日付入り小切手を提出します。不渡りは重大な問題となるため、残高管理には細心の注意が必要です。近年はクレジットカード払いや銀行振込なども一部で導入されていますが、対応はオーナーや管理会社によって異なります。
中途解約について
契約途中の解約にはペナルティが設けられており、3か月前の通告や2か月分の家賃相当の違約金が一般的です。「中途解約不可」とされる契約もあるため、事前確認は必須です。退去に伴うDEWAやインターネットなどの解約も時間を要するため、余裕を持って準備しましょう。
家賃の値上げ
契約中は家賃は固定ですが、更新時に値上げされる可能性があります。RERAが公表する「レンタルインデックス」に基づき上限幅が定められていますが、日本と比べると値上げは起こりやすい傾向です。不動産価格上昇に比例して家賃も上がるため、更新時の負担増をあらかじめ想定しておくことが大切です。
家賃以外の費用
家賃に加えてさまざまな費用が発生するため、契約時に総額を把握しておく必要があります。
セキュリティデポジット
入居時に支払う保証金で、相場は年間家賃の5～10％です。退去時に損傷や未払いがなければ返金されますが、クリーニング代や修繕費が差し引かれる場合があります。返金を確実にするには入居・退去時の状態を写真で残すと安心です。
仲介手数料
エージェントを利用する場合、家賃の5～10％を仲介手数料として支払います。通常は一度きりですが、更新時に再度発生する場合もあるため、事前確認が必要です。
EJARI
EJARIはドバイ政府の賃貸契約登録制度で、登録がなければDEWAやインターネット契約、ビザ更新などの行政手続きができません。登録費用は約200ディルハムです。
DEWA
DEWA（Dubai Electricity and Water Authority）は水道・電気を管轄する公的機関です。入居時にはアカウント開設と保証金（通常1,000～2,000ディルハム程度）が必要です。
まとめ
ドバイで快適に賃貸生活を始めるためには、契約期間や家賃支払いの方法、中途解約の条件、費用の内訳など、現地特有のルールを事前に理解しておくことが不可欠です。こうした知識を備えることで予期せぬトラブルを防ぎ、安心して生活をスタートできます。
さらに、市場動向や住宅タイプごとの特徴を把握しておけば、自分のライフスタイルや家族構成に合った住まいを選びやすくなります。移住を検討している方は、本記事を参考にドバイでの新生活を前向きに計画してみてください。
ドバイの不動産賃貸をお考えの場合は、当サイト「ドバイ不動産投資ガイドfor日本人」までお気軽にお問い合わせください。当サイトでは、ドバイ現地で不動産の情報を収集しており、不動産の賃貸や売買の仲介も行っております。
日本人のスタッフが中心に行っているため、英語ができない方や、ドバイに関する知見をお持ちでない方も安心してご利用頂くことができます。少しでもご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
