ドバイ不動産投資は、世界中の投資家・資産家から熱い注目を集めています。高い利回りや税制上のメリットが大きな魅力ですが、投資である限りリスクも存在します。
ドバイ不動産投資を成功に導くには、どのような戦略を採用したら良いのでしょうか?今回は、ドバイ不動産投資成功のための戦略と失敗を防ぐ実践的ポイントを解説します。
ドバイ不動産投資が選ばれる理由
ドバイが世界中の投資家から注目されている理由は、タックスヘイブンとしての魅力、高い運用利回り、キャピタルゲインの期待、長期居住ビザなどにあります。ここでは、ドバイ不動産投資が選ばれる主な理由について解説します。
- タックスヘイブンとしての魅力があるから
- 高い運用利回りが得られるから
- キャピタルゲインが期待できるから
- 長期居住ビザが取得できるから
タックスヘイブンとしての魅力があるから
ドバイ投資最大の魅力は、タックスヘイブン政策にあるといって良いでしょう。
ドバイでは個人の所得税が存在せず、譲渡所得税(キャピタルゲイン税)や固定資産税も課されません。そのため、不動産投資によって得られる収益が基本的にそのまま手取りとなる点は、他の主要都市にはない大きな魅力です。
さらに、ドバイには相続税・贈与税もないため、資産承継においても大きなメリットがあります。日本人が相続税・贈与税を回避して資産承継するには、一定のハードルを乗り越える必要があるため、国際税務に詳しい専門家の協力が必要です。
高い運用利回りが得られるから
ドバイの不動産市場は、他の国際都市と比較しても利回りの高さが際立っています。ロンドンや香港の利回りが2〜3%、東京が3〜4%程度にとどまる一方で、ドバイでは平均して5~9%が期待できるといわれています。
背景には、外国人駐在員・外国人労働者を中心とした安定した賃貸需要があります。国際的なビジネス拠点として成長を続けるドバイでは、賃貸物件の需要が今後も衰えにくいと予想されます。
キャピタルゲインが期待できるから
賃料収入によるインカムゲインに加えて、ドバイではキャピタルゲイン(不動産売却益)も大きな魅力です。国を挙げて進められる都市開発やインフラ投資により、不動産価値は長期的に上昇基調にあります。
新興エリアや再開発地域では、物件価格が数年で大きく上昇するケースも少なくありません。中長期的に資産形成を目指す投資家にとっては、キャピタルゲインの期待値が投資の動機づけになります。
長期居住ビザが取得できるから
ドバイで一定額以上の不動産を所有すると、長期居住ビザの申請資格を得られる制度があります。不動産投資と併せて取得が可能なビザには、次の2つがあります。
- 不動産ビザ(Property Owner Visa)
- ゴールデンビザ(Golden Visa)
不動産ビザは75万AED(約3,000万円)以上、ゴールデンビザは200万AED(約8,000万円)以上の不動産購入によって取得申請が可能となり、本人だけでなく家族帯同も認められます。
この居住ビザ制度の存在によって、ドバイ不動産は単なる投資先としての魅力にとどまらず、移住先として選ばれる理由になっているのです。
ドバイ不動産投資で採用すべき戦略
ドバイ不動産投資の成功には、自分の目的やリスク許容度に応じた戦略の選択が不可欠です。投資対象の物件種類、保有期間、資金調達方法、さらにはエリア選びといった要素を組み合わせて、最適なプランを描く必要があります。ここでは、ドバイ不動産投資で採用すべき戦略について解説します。
- 「オフプラン物件」と「レディプラン物件」の選択
- 「短期所有」と「長期所有」の選択
- 「現金」と「融資」の選択
- エリアの選択
「オフプラン物件」と「レディプラン物件」の選択
ドバイ不動産購入の際の特徴として、「オフプラン物件」と「レディプラン物件」があります。そのため、投資戦略としてオフプラン投資にするかレディプラン投資にするかという選択が必要となります。
オフプラン物件のメリット・デメリット
オフプラン物件とは、まだ建設されていないか、建設中である未完成の物件を指します。
オフプラン投資の最大のメリットは、完成済み物件よりも割安な価格で取得できる点です。引き渡し時点で物件価格が上昇していることが多く、キャピタルゲインの「含み益」を得ている状態になります。
ただし、建設遅延や途中でのプロジェクト中止といったリスクもあります。信頼できるデベロッパーを選ぶことが、この投資スタイルの成否を左右します。
レディプラン物件のメリット・デメリット
一方、レディプラン物件は完成済みのため、購入後すぐに賃貸に出すことができ、収益化までの期間が短いことが特徴です。物件の実物を確認できるため安心感も大きいといえます。
ただし、オフプランに比べて物件価格が割高となり、キャピタルゲインの余地は小さくなる傾向があります。
「短期所有」と「長期所有」の選択
次に必要なのが、物件を短期的に所有して売却益を狙うか、長期的に所有して安定収益を得るかという判断です。
キャピタルゲイン狙いの短期売買
短期所有は、基本的にキャピタルゲイン狙いの投資手法です。不動産価格が上昇しそうな物件を押さえ、短期所有した後に売り抜け、物件価格の上昇分を利益として確定させる戦略です。
この手法は市場の変動リスクを強く受けやすく、価格が下落すれば損失を抱える危険性もあります。市場動向をつねに追い続け、売買のタイミングを見極める冷静さとスピード感が求められるため、プロ向けの投資手法といえるでしょう。
インカムゲイン狙いの長期運用
長期運用は、賃料収入によって安定的なキャッシュフローを得る方法です。ドバイは外国人駐在員・労働者が多く、賃貸需要が旺盛であるため、長期的に安定収益を確保しやすい環境といえます。
不動産価格の上昇も続いているため、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える点も大きな強みです。リスクを抑制しつつ、堅実に資産を増やしたい投資家に適した戦略です。
「現金」と「融資」の選択
資金調達の方法も戦略を決定づけます。現金のみで投資を行えば負債を抱えずに済みますが、得られるリターンも限定的です。一方、融資を活用する方法は負債を抱えるリスクはありますが、レバレッジの活用によって投資効率を高められます。
オフプラン物件の場合は分割払い
オフプラン物件では、金融機関からの融資を受けることは難しく、多くの場合デベロッパーとの分割払い契約になります。工事進捗に合わせて段階的に代金を支払う形となるため、一度にまとまった資金を用意する必要はありません。
現地銀行のローン
レディプラン物件を購入する場合、ドバイ現地の銀行から融資を受けられる可能性があります。ただし、外国人に対する審査は厳しく、頭金の割合は40〜50%と大きく求められます。
日本での不動産投資のような融資戦略は採用できませんが、一定のレバレッジによって投資効率を上げることはできます。
国内金融機関のローン
日本国内で不動産を所有している投資家は、その資産を担保に国内金融機関のローンを利用できる場合があります。国内金融機関を相手に交渉できる気軽さがあるため、国内不動産を所有する資産家にはレバレッジ戦略としておすすめできる手法です。
ただし、金利が高く融資期間も比較的短い点、融資審査が厳格な点は留意が必要です。
エリアの選択
不動産投資において「立地」は最重要のポイントです。ドバイは都市計画が明確で、それぞれのエリアごとに役割や特色が分かれています。
観光・ビジネスの中心地、リゾート地、外国人駐在員に人気の住宅街、さらには今後の成長が期待される新興地域など、多様な選択肢があります。投資家は戦略に合わせてエリアを選ぶ必要があります。
ダウンタウン・ドバイ
ダウンタウン・ドバイは、ブルジュ・ハリファやドバイモールといったランドマークを擁する商業・観光の中心地です。観光客や出張者の滞在需要が高く、ホテルやオフィスビル、高級アパートメントが集積しています。
物件価格はドバイの中でもトップクラスに高いですが、賃貸需要が安定しているため、高い利回りを狙えます。国際イベントの開催や大型開発が継続的に行われており、資産価値の下支えが強いのも特徴です。「ドバイを代表する資産」を所有したい投資家や資産家に向いています。
パーム・ジュメイラ
人工島の「パーム・ジュメイラ」は、世界的に有名なラグジュアリーエリアです。高級ヴィラや高層アパートメントが並び、リゾートライフを求める超富裕層の需要があります。
投資対象としては、キャピタルゲインよりも「ブランド価値を維持する安定的な資産」としての側面が強いことが特徴です。取得には数億円規模の資金が必要であり、エントリー層の投資家にはハードルが高いエリアです。
しかし、高級物件の需要は世界的に安定しており、景気変動の影響を受けにくいことから、「資産の保全」に適しています。国際的に資産を分散したい富裕層にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。
ドバイマリーナ
ドバイマリーナは、外国人駐在員や長期滞在者に人気を誇るエリアです。海沿いの美しい景観、高層アパートメント、商業施設、レストランが充実しており、生活の利便性が高いことが魅力です。観光客に加えてビジネス滞在者からの需要も厚く、短期・長期ともに安定した賃料収入を得やすい環境が整っています。
投資家にとっては、取得価格がダウンタウン・ドバイほど高額ではない一方で、利回りが安定している点が評価されています。平均で6~7%前後の利回りを期待でき、さらに再開発やインフラ整備により長期的な成長も見込めます。幅広い投資家層に適したバランスの良いエリアです。
新興エリア
ドバイの魅力は、既存の人気エリアだけでなく、新興地域にも投資機会が広がっていることです。今注目されているのは、「ジュメイラ・ヴィレッジ・サークル」や「ドバイ・サウス」です。
ジュメイラ・ヴィレッジ・サークルは、比較的割安な価格帯で物件を取得できます。ファミリー層や若年層を中心に、賃貸需要は旺盛です。将来的な都市拡大の中心として成長が期待されており、キャピタルゲインを狙う投資家には注目のエリアです。
ドバイ・サウスは、ドバイの新国際空港「アル・マクトゥーム国際空港」に隣接する地域として脚光を浴びています。国際的な物流・展示拠点として発展が見込まれ、今後のインフラ投資が不動産価値を押し上げる可能性があります。まだ価格が手頃であるため、将来性を見込んだ長期投資に最適です。
初心者が取るべきドバイ不動産投資戦略のポイント
初めてドバイ不動産投資に挑戦する人にとっては、最初の一歩をどう踏み出すかが重要です。ここでは、初心者が取るべきドバイ不動産投資戦略のポイントを解説します。
- 投資目的を明確にする
- 自身のリスク許容度を確認する
- 小規模から始めて経験を積む
投資目的を明確にする
まずは、ドバイ不動産投資の目的をはっきりさせましょう。インカムゲインを重視するのか、キャピタルゲインを狙うのか、あるいは居住を兼ねたライフプランの一部とするのかによって、選ぶ物件や戦略は大きく異なります。
自身のリスク許容度を確認する
投資においては、どの程度のリスクを許容できるかの事前の確認が重要です。リスク許容度とは、どの程度まで将来の不確実性を受け入れられるかを示す度合いで、年齢、年収、保有資産、家族、投資経験、性格によって判定されます。
投資においては、リターンとリスクが比例するのが原則です。リスク許容度が高い人は、大きなリターンを狙った戦略を描けるでしょう。リスク許容度が低く安定を好む投資家は、中長期の所有によってインカムゲインを積み重ねる戦略が無難です。
小規模から始めて経験を積む
初心者は一度に大きな投資を行うのではなく、小規模な物件から始めるのが賢明です。実際に購入から運用、管理までを経験することで、市場の動きやリスクの実感を得られます。経験を次のステップに活かせれば、より大きな投資に安心して踏み出せるようになります。
ドバイ不動産投資を成功させる実践的アドバイス
ドバイは投資家にとって非常に魅力的な市場ですが、同時に海外特有の不透明さやリスクが存在するため、慎重な対応が欠かせません。最後に、実際の投資プロセスで意識すべき具体的なアドバイスを整理します。
- アセットアロケーションを意識する
- 信頼できるエージェントに依頼する
- 法務リスク・税務リスクに備え専門家と連携する
アセットアロケーションを意識する
資産家は、自身のアセットアロケーション(資産配分)をつねに意識する必要があります。アセットアロケーションの中心には、伝統的資産、つまり先進国株式・先進国債券・国内不動産を据えることが推奨されます。
ドバイ不動産は非常に魅力的なアセットですが、あくまでオルタナティブ資産の位置付けとなります。一般的には総資産の10〜30%程度にとどめるのが現実的です。経営者であれば、自社の事業や他の投資とのバランスを見極め、過度な集中投資を避けることが、長期的な安定を確保する秘訣です。
信頼できるエージェントに依頼する
ドバイの不動産市場は外国人投資家に門戸が開かれている一方で、規制や慣習が日本の不動産取引と大きく異なります。そのため、現地事情に精通した信頼できるエージェントの存在は不可欠です。
ドバイ不動産取引においては、過去に詐欺案件の発生も報告されており、「誰をパートナーに選ぶか」が投資の成否を大きく左右します。
エージェントを選ぶ際には、次の点をチェックすると安心です。まず、ドバイ土地局(Dubai Land Department, DLD)に正式に登録されているかどうかを確認します。さらに、過去の実績や取引件数、顧客からの口コミや評判も参考になります。
説明内容が明確で、手数料や契約条件をオープンに提示してくれるエージェントを選ぶのが鉄則です。なお、オフプラン物件を扱う場合は、デベロッパーの信用力や過去のプロジェクト実績を確認することも欠かせません。
法務リスク・税務リスクに備え専門家と連携する
海外不動産投資で最も多い失敗の原因の一つが、法務面や税務面での知識不足です。契約内容を十分に理解しないまま署名してしまい、引き渡し時に追加費用を請求されたり、管理規約に違反してしまったりするケースは珍しくありません。
日本居住者であれば、ドバイで得た収益も日本の課税対象となるため、二重課税を回避するための国際税務の知識が求められます。
こうしたリスクを避けるためには、現地の法律に詳しい弁護士や、国際課税に精通した税理士との連携が必須です。法務・税務リスクに備えて専門家をチームに加えることで、トラブルを未然に防ぎ、安心して長期投資を続けられます。
まとめ
ドバイ不動産投資は、高い収益性や税制上の優遇により、多くの投資家から注目を集めていますが、成功するためには戦略の選択やリスク管理が欠かせません。
投資対象の物件、保有期間、資金調達、エリア選びを慎重に判断し、さらに専門家や信頼できるパートナーと連携することが、安定した成果を生み出すカギとなります。
ドバイ不動産投資のためのパートナーをお探しの場合は、当サイト「ドバイ不動産投資ガイドfor日本人」までお気軽にお問い合わせください。当サイトでは、ドバイ現地で不動産の情報を収集しており、不動産の売買や賃貸の仲介も行っています。
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