ドバイの不動産市場が歴史的な活況を呈する中、感度の高い投資家たちの視線は、隣の首長国へと向けられ始めています。その先は、アラブ首長国連邦(UAE)の首都・アブダビです。
「ドバイはもう上がりすぎてしまったのではないか」「次のチャンスはどこにあるのか」そんな疑問を持つ投資家にとって、アブダビはドバイのメリットをそのままに、より高い成長余地を残した「新たなフロンティア」といえるでしょう。今回は、アブダビ不動産投資の特徴をドバイとの比較を通じて解説します。
アブダビはどのような「国」か
投資を検討する前に、まずアブダビの立ち位置を正確に理解しておく必要があります。まずは、アブダビはどのような国なのか解説します。
アラブ首長国連邦(UAE)の首長国・都市の一つ
正確にいうと、アブダビはいわゆる「国家」ではなく、アラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国、または都市です。UAEは7つの首長国からなる連邦国家ですが、その中で政治・行政の中心を担うのがアブダビ首長国です。
あえてドイツで例えるなら、ドバイが経済・商業の中心であるフランクフルトなら、アブダビは首都機能を持ち、国家の指針を決定するベルリンといえます。連邦全体の舵取りを行う「本家」としての重厚感がアブダビの最大の特徴です。
UAEの中で最大の面積・人口を持つ
アブダビはUAEの全国土の約8割を占める圧倒的な規模を誇ります。ドバイが限られた土地を垂直に伸ばして開発してきたのに対し、アブダビには広大な「ランドバンク(開発用地)」が残されています。これは、今後10年、20年というスパンで新たな都市開発が継続的に行われるポテンシャルを意味します。
潤沢な石油収入で豊かな国
UAEの経済を支える石油埋蔵量の約9割が、アブダビに集中しています。圧倒的なオイルマネーを背景とした財政基盤は、ドバイ以上に強固です。
ドバイが観光や外資導入で経済を回す「攻め」のモデルなら、アブダビは政府が潤沢な資金で計画を完遂させる「安定」のモデルです。
アブダビの不動産が注目される理由
なぜ今、アブダビ不動産投資に世界の投資家たちが注目し始めているのでしょうか?背景には、ドバイとは異なる独自の安定性と、今この瞬間だけの爆発的な成長要因が共存しているからです。ここでは、アブダビの不動産が注目される主な理由を解説します。
- アラブ首長国連邦の首都で安定しているから
- ドバイ投資のメリットを兼ね備えているから
- ドバイ投資の「次なる一手」になる
- ディズニーリゾート建設が予定されているから
アラブ首長国連邦の首都で安定しているから
アブダビは単なる経済都市ではなく、大統領官邸や主要な政府省庁、世界各国の大使館が軒を連ねる「UAEの政治的中心地」です。そのため、都市開発のマスタープランは極めて保守的かつ計画的に遂行されます。
法規制の透明性も高く、急激なバブル的成長を避け、中長期で着実な資産価値の上昇を狙いたい慎重な富裕層にとって、アブダビは究極のアンカー(安住の地)として機能しています。
ドバイ投資のメリットを兼ね備えているから
ドバイ不動産投資を成功させてきた人々を惹きつけてやまないのは、アブダビもまた「ドバイと同じ勝利の方程式」で戦える点です。
所得税や固定資産税、譲渡所得税が原則無税というタックスヘイブンとしての税制メリットはもちろん、通貨ディルハムが米ドルに固定されている「米ドルペッグ制」による資産防衛機能もそのまま享受できます。
ドバイで培った権利関係の知識や運用ノウハウをそのままスライドさせることができるため、新たな学習コストやリスク調査を最小限に抑えつつ、効率的にポートフォリオを拡大できるのが大きな強みです。
ドバイ投資の「次なる一手」になる
近年のドバイ不動産市場は、世界的な資金流入により価格が高騰し、かつての割安感は薄れつつあります。そこで投資家たちが注目しているのが、地理的に隣接しながらも相対的にsqft(スクエアフィート)単価がまだ割安なアブダビです。
アブダビは現在、ドバイが数年前にたどった「爆発的上昇の入り口」に立っていると見なされています。ドバイでの含み益を確定させ、その資金を次のキャピタルゲイン(売却益)が期待できるアブダビへ移動させる動きが加速しており、市場の流動性も急速に高まっています。
ディズニーリゾート建設が予定されているから
2025年5月、世界の不動産市場を揺るがすビッグニュースが発表されました。ウォルト・ディズニー・カンパニーによる、中東初、そして世界で7番目となるディズニーテーマパークの建設計画です。
このプロジェクトは単なるレジャー施設の建設に留まりません。テーマパークを中核として、周辺には広大な住宅街、高級ホテル、巨大ショッピングモール、そして最先端のオフィスが集結する「ディズニー・エコノミック・ゾーン」とも呼べる巨大な経済圏が誕生します。
アブダビ不動産投資の5つのメリット
前述したように、アブダビ不動産投資はドバイ投資のメリットを色濃く受け継ぎながら、アブダビ独自の成長理由が存在しています。ここでは、主要な5つのメリットを解説します。
- 政府主導の都市開発で人口増加が見込める
- 不動産価格の上昇が予想される
- フリーホールド制度で不動産所有が外国人に開かれている
- 圧倒的な税制メリットがある
- ディズニーリゾート建設などの観光投資が予定されている
- ドバイとの経済的シナジーがある
政府主導の都市開発で人口増加が見込める
アブダビ政府が国家戦略として掲げる「アブダビ経済ビジョン2030」は、単なるスローガンではなく強力な財政出動を伴う実行計画です。石油依存型経済から知識集約型経済への転換を目指し、AI、バイオテクノロジー、金融、再生可能エネルギーといった先端産業を誘致しています。
これらの産業振興にともない、世界中から高年収の高度専門人材とその家族が流入しており、都市の人口動態は劇的な拡大局面にあります。ファミリー層やエグゼクティブ層をターゲットとした高品質な住宅への需要は強固で、長期にわたる安定した賃貸稼働率を支える基盤となっています。
不動産価格の上昇が予想される
ドバイの主要エリアがすでに世界的な認知を得て価格が高止まりしているのに対し、アブダビの不動産価格は依然として相対的に低く抑えられており、参入障壁が低いのが現状です。
2025年に発表されたディズニーリゾート建設計画や、すでに稼働している「ルーヴル・アブダビ」といった、代替不可能な世界的ブランドが特定のエリアに集積し始めています。国家規模のランドマークが完成に近づくにつれ、周辺の地価が段階的に押し上げられるのは、過去のドバイの歴史が証明しています。
今、このタイミングで割安なうちに物件を確保しておけば、数年後に大きなキャピタルゲインを最大化させる可能性が高いといえるでしょう。
フリーホールド制度で不動産所有が外国人に開かれている
かつてアブダビでの不動産所有は制限されていましたが、2019年の歴史的な法改正により、ヤス島、サディヤット島、リーム島といった投資特区において、外国人が土地・物件の完全所有権を持てるフリーホールド制度が認められました。外国人投資家にとって最大の懸念であった「所有権リスク」が完全に払拭されたのです。
現在は日本居住者であっても、ドバイ同様に100%の権利を公的に登記し、自由に売却・賃貸・相続することが可能です。透明性の高い法制度の確立が、海外からの機関投資家や個人投資家の資金流入を爆発的に加速させる呼び水となりました。
圧倒的な税制メリットがある
アブダビで不動産を運用する最大の魅力は、その「手残りの多さ」にあります。個人にかかる所得税がないだけでなく、固定資産税や物件売却時の譲渡所得税も原則として無税です。さらに、相続税や贈与税も基本的にはかかりません。
先進各国の投資家が頭を悩ませる重税という壁が存在しないため、得られた収益をそのまま次の投資へ回すことができ、複利効果による資産形成のスピードを劇的に高めることができます。
ディズニーリゾート建設などの観光投資が予定されている
ディズニーリゾート建設プロジェクトにより、アブダビには年間1,000万人を超える世界中の観光客が訪れると試算されており、観光収入の大幅な増加は確実視されています。建設から運営フェーズを通じて2万人規模の新規雇用が創出される見込みです。
雇用創出は、高度な管理職からサービス業、インフラ開発まで多岐にわたり、これら従事者の住宅に対する旺盛な実需を生み出します。
すでに発表直後から、建設予定地であるヤス島周辺では不動産価格の上昇が始まっており、先行して用地を確保しようとするデベロッパーの動きも活発化しています。ディズニーという世界最強の知的財産がもたらす集客力とブランド力は、アブダビ不動産の資産価値を次なる次元へと押し上げる最大のドライバーとなるでしょう。
ドバイとの経済的シナジーがある
現在、UAE国内では2大都市をつなぐ物流・旅客の革命が進んでいます。建設が進む高速鉄道「エティハド・レール」や、次世代の超高速輸送システム「ハイパーループ」構想により、ドバイとアブダビは物理的にも経済的にも「一つの巨大経済圏」へと統合されようとしています。
将来的に両都市が数十分で結ばれるようになれば、ドバイでビジネスを行いながら、より広大で文化的なアブダビに居を構えるといったライフスタイルが一般化するかもしれません。
「2大都市の一体化」による相乗効果は、周辺エリアの不動産価値を底上げするだけでなく、空室リスクを分散させ、ポートフォリオ全体の安定性を飛躍的に向上させる要因となります。
アブダビ不動産投資のリスクと注意点
一方で、アブダビ不動産投資には注意すべきリスクも存在します。ここでは、アブダビ不動産投資のリスクと注意点を解説します。
- 為替変動リスクがある
- デベロッパーの建設が頓挫するリスクがある
為替変動リスクがある
UAEディルハムは米ドルに固定(ペッグ)されているため、新興国にしばしば見られる通貨危機のリスクは低いと見られています。
ただし、日本円建てで見ると円安・円高の影響をダイレクトに受けることになります。送金時や売却時の為替変動が収益率を左右する点は、つねに意識しておく必要があるでしょう。
デベロッパーの建設が頓挫するリスクがある
オフプラン(未完成)物件を検討する際、もっとも重要なのはデベロッパー選びです。アブダビでは、最大手の「Aldar Properties(アルダル・プロパティーズ)」のような、政府とのつながりが深く信頼性の高い企業を選ぶことが、リスク対策の定石です。
【徹底比較】ドバイ vs アブダビ 不動産投資の違い
続いて、ドバイ不動産とアブダビ不動産の違いを比較して解説します。
- 不動産価格はアブダビのほうが割安
- 流動性はドバイのほうが高い
- アブダビにディズニーリゾートが登場
不動産価格はアブダビのほうが割安
同等のグレードや立地の物件を比較した場合、アブダビのほうが平方フィートあたりの単価が抑えられています。また、登記費用についても、ドバイが物件価格の4%であるのに対し、アブダビは原則2%と初期費用が安く済む傾向にあります。
同じ予算でもより広く条件の良い物件を狙えるため、投資効率を高めやすいことが特徴です。
流動性はドバイのほうが高い
中古市場の厚みや売買の回転率については、現時点では世界中から投資マネーが集中するドバイに軍配が上がります。アブダビ投資は、数ヶ月や1年といった短期の転売を繰り返すスタイルよりも、5年以上の中長期的な保有によるインカムゲインと、都市成熟に伴う資産価値の上昇を待つスタイルが適しているといえるでしょう。
アブダビにディズニーリゾートが登場
前述したように、ウォルト・ディズニー・カンパニーがアブダビに新たなテーマパークを建設する計画を発表しました。
予定地のヤス島は世界的なエンターテインメントとレジャーの拠点としての地位をさらに確立し、相乗効果で観光客の誘致を加速させると期待されます。この世界ブランドの進出は、エリア全体の資産価値を長期にわたって支える強力なファクターとなります。
ドバイも観光業が中心的産業ですが、近年の注目度や話題性ではアブダビがややリードしているかもしれません。
アブダビ不動産投資で注目されるエリア
アブダビは島ごとに明確なコンセプトを持って開発が進められています。その中でも、資産価値の上昇と安定した運用が見込める4つの注目エリアを解説します。最後に、アブダビ不動産投資で注目されるエリアを解説します。
- ヤス島
- サディヤット島
- アブダビ・ダウンタウン
- コルニッシュ地区
ヤス島
ヤス島は、アブダビが世界に誇る「レジャーとエンターテインメントの聖地」です。2025年に発表された中東初のディズニーリゾート建設予定地であることはもちろん、すでにF1アブダビGPが開催される「ヤス・マリーナ・サーキット」や、世界初のフェラーリ公認テーマパーク「フェラーリ・ワールド」、さらに「シーワールド」などの巨大施設が密集しています。
最大の特徴は、短期滞在(民泊)需要の圧倒的な強さです。年間を通じて開催される世界規模のイベントにより、観光客からの宿泊需要が途絶えることがありません。
サディヤット島
サディヤット島は、世界でも類を見ない「文化・芸術の集積地」としてブランディングされています。すでに世界的な名声を確立した「ルーヴル・アブダビ」に加え、今後「グッゲンハイム・アブダビ」や「ザイード国立博物館」の開館が控えています。
単なる観光地ではなく、UAE屈指の超高級住宅街としての顔も持っています。息を呑むほど美しい天然のホワイトビーチに面した高級ヴィラや低層マンションは、世界中の超富裕層がセカンドハウスとして買い求めており、そのステータス性は揺るぎません。
開発余地が限られていることから希少性が極めて高く、ブランドを所有することによる優越感とキャピタルゲインを両立させたい投資家にとって、最高の選択肢となります。
アブダビ・ダウンタウン
アブダビ・ダウンタウンは、大手企業のビルや主要な官公庁、巨大なショッピングモールがひしめく都市の心臓部です。観光客向けではなく、アブダビを支えるビジネスパーソンや公務員、その家族たちが実際に生活を送る実需の拠点です。
不動産投資の観点では、空室リスクが低く、手堅いエリアといえます。流行や国際的なイベントの有無に左右されず、長期賃貸による安定したインカムゲインを積み上げることが可能です。
派手さよりも、家賃収入の継続性と出口戦略の立てやすさを重視する投資家にとって、ポートフォリオの土台を支える「守りの資産」として魅力的といえるでしょう。
コルニッシュ地区
コルニッシュ地区は、約8kmにわたって続く美しい海岸線沿いの遊歩道と、近代的なスカイラインが調和したアブダビ随一の景勝地です。古くから富裕層に愛されてきた高級住宅地であり、ドバイのマリーナ地区にも似た華やかさと落ち着きを兼ね備えています。
エリアの物件は、パーシャルまたはフルオーシャンビューという、不動産において最も強い付加価値を持っています。新規の開発が制限されているエリアでもあるため、オーシャンビュー物件の供給は限定的です。「海が見える」という条件は、売却時にも強力な差別化要因となるため、価格が崩れにくく、不況時にも強い耐性を見せるエリアとして、ベテラン投資家から高く評価されています。
まとめ
ドバイ不動産で成功を収めた投資家にとって、アブダビは決して未知の領域ではありません。むしろ、共通のルールで戦える、よりポテンシャルの高い市場です。
潤沢なオイルマネー、政府主導の確実な開発、ディズニーリゾートという世界最強のコンテンツ。これらが揃った今、アブダビへの分散投資は、ご自身のポートフォリオをより強固なものにするでしょう。
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