近年、ドバイ不動産市場への関心が高まっています。投資家や移住希望者が注目する理由にはドバイの優遇された税制、治安の良さなどがありますが、ドバイ不動産特有の洗練された美しさもあります。
スタイリッシュでおしゃれな物件を供給しているドバイのデベロッパーの一つに、DAMAC（ダマック）があります。今回は、ドバイの主要デベロッパー「DAMAC（ダマック）」について解説します。
DAMAC（ダマック）とは
まずは、DAMAC（ダマック）の概要について解説します。
DAMACの概要
DAMAC Properties（ダマックプロパティーズ）は、2002年に設立されたドバイの不動産デベロッパーで、民間企業としては最大規模です。主に高級住宅、商業施設、ホテルの開発を手がけ、アラブ首長国連邦（UAE）内外に数々のプロジェクトを展開しています。
2015年、一度ドバイ市場に上場しましたが、2022年には非公開化されました。革新的なデザインや豪華なライフスタイルの提案が、同社を特徴づけています。
CEOフセイン・サジュワニ氏の経歴
DAMACの創業者は、現CEO（最高経営責任者）のフセイン・サジュワニ氏です。同社の躍進は、フセイン・サジュワニ氏の個性によるものといっていいでしょう。
同氏はアブダビの石油企業で営業を経験後、ケータリング事業を立ち上げて成功。その後ホテル業や不動産業へと進出し、2002年の外国人向け不動産購入規制緩和を転機にDAMACを設立しました。
ドナルド・トランプ次期米国大統領とのコラボレーションでも知られており、トランプインターナショナルゴルフクラブを含むプロジェクトで協力しています。また、フセイン・サジュワニ氏自身、「中東のトランプ」と呼ばれることがあります。
DAMAC（ダマック）が手がけてきた主要プロジェクト
続いて、ドバイの民間最大手デベロッパーであるDAMAC（ダマック）がこれまで手がけてきたプロジェクトを紹介します。
- ダマックヒルズ
- ダマックベイ
- ダマックアイランド
- ダマックタワー・ロンドン
ダマックヒルズ
画像引用元：DAMAC Hills
ダマックヒルズ（DAMAC hills）は、高級ゴルフ場を中心にヴィラ（戸建て住宅）、アパートメント（マンション）、ホテルで構成される独立型コミュニティです。トランプインターナショナルゴルフクラブの本拠地であり、約400万平方フィートの公園もあり、自然に触れたり、スポーツを楽しんだりできる環境が整っています。
静かな庭園や湖、スケートパーク、厩舎、サッカー場、テニスコートなどが揃っており、住民に豊かなライフスタイルを提供します。フードトラックやアイスクリーム販売車も常駐していて、スーパーマーケットの「カルフール」、サロン、クリーニング店もあり、住民サービスは行き届いています。
高級アパートメントのキアラ（Kiara）は、スタジオ（ワンルーム）、1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームの間取りが用意され、すべて家具付きの居室です。価格は716,000AED（約2,864万円）からとなっています。
参照元：DAMAC Hills
ダマックベイ
画像引用元：DAMAC Bay by Cavalli
ダマックベイ（DAMAC Bay）は、湾岸エリアに建設された高層住宅プロジェクトで、リゾートのような豪華なアメニティが特徴です。人工島パーム・ジュメイラに隣接し、海を望むロケーションが多くの投資家や富裕層に支持されています。生活空間としてもリゾート体験を味わえる物件です。
近未来を思わせる、連結された3つのタワーが特徴的です。42階建てのタワーマンションで暮せば、水平線を眺めながら海辺のライフスタイルを味わえます。
ダマックアイランド
画像引用元：DAMAC Islands
ダマックアイランド（DAMAC Islands）は、人工島を活用したラグジュアリーリビングのプロジェクトです。穏やかなラグーン、豊かな緑、見事なウォーターフロントが配置された富裕層向けのヴィラとタウンハウスの街区です。
モルディブやフィジーの美しさにインスピレーションを得ているというダマックアイランドは、都会の洗練さとトロピカルな魅力が融合しています。ここでは、毎日が楽園になるのです。
参照元：DAMAC Islands
ダマックタワー・ロンドン
画像引用元：Damac Tower London
ダマックタワー・ロンドン（Damac Tower London）は、ドバイではなくイギリス・ロンドンに建設された高級タワーマンションです。このプロジェクトは、DAMACがドバイ外での事業展開に成功している象徴的な例といえます。
ダマックタワー・ロンドンを開発したのは、DAMACの100％子会社であるナインエルムズ・プロパティーズです。内装のデザインは、世界的ファッションブランドであるヴェルサーチとの提携によって行われました。
DAMAC以外の有名デベロッパー
ドバイには、DAMAC以外にも有名な不動産デベロッパーがあります。ここでは、その中でも代表的なEMAAR、Nakheel、SOBHAの3社を紹介します。
EMAAR
EMAAR Properties（エマール・プロパティーズ）は、ドバイ最大の政府系不動産デベロッパーとして知られています。同社は1997年に設立され、ドバイ政府の支援を背景に急成長を遂げました。
EMAARの事業は、住宅開発だけでなく、商業施設や観光施設、大規模な複合施設開発にまで及び、そのスケールは他のデベロッパーと一線を画しています。特に有名なのは、世界一高い建物「バージュ・ハリファ」と世界最大のショッピングモール「ドバイモール」です。
これらのプロジェクトは単なる建築物にとどまらず、ドバイを世界的な観光・商業の中心地に押し上げました。ドバイの国際的地位を高める上で、EMAARの貢献がいかに大きいかを示しています。
EMAARは単なるデベロッパーではなく、持続可能性を重視した都市づくりのリーダーでもあります。同社の開発プロジェクトには、エネルギー効率を考慮した設計や再生可能エネルギーの利用が採用されています。プロジェクトの多くは地元経済への貢献を重視し、雇用機会を創出しながら地域の成長を促進しています。
EMAARの影響力はドバイだけに留まりません。同社はサウジアラビア、インド、エジプトなど世界各地で大規模なプロジェクトを展開しています。EMAARは単なるローカルデベロッパーを超えて、国際的なブランドとしての地位を確立しているのです。
Nakheel
Nakheel（ナキール）もまたドバイの政府系不動産デベロッパーで、EMAARのライバル企業にあたる存在です。
同社の代表作といえば、人工島「パーム・ジュメイラ」です。ヤシの木の形をしたこの島は世界最大級の人工島であり、観光地としても住宅地としても高い評価を受けています。パーム・ジュメイラは、ドバイのイノベーションと野心を象徴するプロジェクトの一つといえるでしょう。
Nakheelの事業は住宅開発に留まらず、ショッピングモール、リゾート、マリーナの建設など多岐にわたります。また、Nakheelはコミュニティの形成を重視しており、住民が快適に暮らせる生活環境の提供を目指しています。
Nakheelが開発したエリアは、単なる物件以上の価値を持つ、住民にとって魅力的な「ホーム」として機能しています。
SOBHA
SOBHAは、ドバイを拠点とする多国籍デベロッパーで、高級住宅の開発に特化しています。同社はインドを含む複数の国で事業を展開し、グローバルな視野で事業を進めています。
注目すべきは「Sobha Hartland」という複合開発プロジェクトです。ドバイ運河沿いに位置するこのプロジェクトは、豪華なヴィラやタウンハウス、アパートメントに加え、高級学校や公園、商業施設を備えた一大都市型コミュニティを提供しています。
DAMACプロジェクトへ投資する際のメリットと注意点
最後に、DAMACが手がけるプロジェクトへ投資する魅力について解説します。
- 不動産投資に関わる税金が無税
- 高級住宅市場においてブランド力と立地条件が強み
- 物件の詳細や契約条件を事前に確認する
不動産投資に関わる税金が無税
DAMACに限らずドバイの不動産市場は、外国人投資家にとって非常に魅力的です。特に、所得税やキャピタルゲイン税（譲渡所得税）など不動産投資に関わる税金が無税である点が注目されています。
フリーホールドエリアでは外国人が土地を所有でき、長期滞在を可能にするゴールデンビザ制度も整っています。治安の良さや経済成長も、不動産市場の魅力を高める要因です。
高級住宅市場においてブランド力と立地条件が強み
DAMACのプロジェクトは、高級住宅市場においてブランド力と立地条件が強みです。資産価値の上昇が期待される物件が多く、投資家にとっては高いリターンが見込めるでしょう。洗練されたデザインと豪華なアメニティが、居住用物件としても収益物件としても評価されています。
物件の詳細や契約条件を事前に確認する
投資を成功させるには、物件の詳細や契約条件を事前に確認することが重要です。また、維持コストとして管理費やエージェントフィーが発生するため、それらを含めたコスト計算が必要です。
プロジェクトによっては完成までの期間が長くなる場合もあるため、信頼できる情報源から最新の情報を得ることを推奨します。
まとめ
DAMACはドバイ不動産市場をけん引するデベロッパーであり、革新的なプロジェクトは今後も注目され続けるでしょう。税制優遇や治安の良さなどを背景に、ドバイの不動産市場は成長を続けています。
DAMACのプロジェクトへの投資は、高いリターンが期待できる選択肢として魅力的です。興味がある方は、慎重に情報収集を行い、ドバイ不動産市場への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか？
