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【2025】ドバイの「不動産ビザ」とは?特徴・要件・メリット・手続きをわかりやすく解説

ドバイの「不動産ビザ」とは?特徴・要件・メリット・手続きをわかりやすく解説

急激な経済発展を遂げるドバイは、外国人にとって魅力的なビザ制度を持つ都市です。中でも、外国人から「不動産ビザ」が注目されています。

不動産ビザは、投資を通じて移住のメリットを享受できるだけでなく、将来的な資産形成にも役立ちます。今回は、不動産ビザを中心にその特徴や取得手続き、メリットについて詳しく解説します。

不動産購入で取得できるドバイのビザの種類

ドバイでは、不動産購入を通じて取得できるビザが複数種類あります。「不動産ビザ」と「ゴールデンビザ」は、その中でも特に人気の高い選択肢です。それぞれのビザには特徴や取得要件が異なり、自分の目的や条件に合ったビザを選ぶことが重要です。ここでは、それぞれの概要を解説します。

不動産ビザ

ドバイは経済成長にともない不動産市場が急成長しています。ドバイへの移住と不動産購入を両立させるのが「不動産ビザ(Property Owner Visa)」です。このビザがドバイに長期的に居住するための柔軟な選択肢として注目されています。

不動産を所有するだけで取得できるため、手続きも比較的簡単で、他のビザと比べても取得のハードルが低い点が魅力です。不動産ビザの詳細については、後段で詳述します。

ドバイは、経済成長とともに人口拡大が続いている都市です。ドバイ統計センターによると、ドバイ人口は約383万人ですが、アラブ首長国連邦国民(エミレーツ)は10%程度とされています。90%以上が外国人で構成されているのです。

急激な経済発展を遂げるドバイは、優秀な外国人を呼び込んで街づくりを進めている現状がわかります。積極的な移民受け入れの姿勢は、ビザ制度にも現れています。逆に、ドバイへの移住を望む外国人にとっては、魅力的なビザ制度になっているのです。

出典:Dubai Statistics Center

ゴールデンビザ

ゴールデンビザ(Golden Visa)は、不動産ビザよりも厳しい要件を満たす必要がありますが、その分滞在期間が長くなります。最大10年間という長期滞在を可能にし、事実上の永住権として利用できます。

ゴールデンビザは、特定分野で成功を収めた人や高額な投資を行う人に発行されます。不動産投資でも取得が可能なため、資産家がドバイでの長期的な生活基盤を築くには最適といえるでしょう。ゴールデンビザについても、後段で詳述します。

不動産ビザの概要

前述したように、不動産ビザはドバイで不動産を所有する人が取得できるビザで、長期的な滞在を希望する人にとって重要な選択肢です。このビザは、ドバイでの生活を安定させるために設計されており、外国人が不動産投資を通じて簡単に取得できることが特徴です。

不動産ビザの特徴

ドバイの不動産所有者に付与される不動産ビザの有効期間は2年間です。期限を迎えても、条件を満たす限り更新が可能です。また、配偶者や子どもを対象とした家族ビザの取得もできるため、家族での移住を希望する人にも適しています。

不動産への投資を通じて居住資格を取得するため、投資と移住を両立させたい人にとって理想的な制度といえます。対象となる不動産は、居住用不動産だけでなく、商業用不動産にも適用されます。投資家は多様な不動産に投資でき、収益を上げる機会が広がります。

不動産ビザの取得要件

不動産ビザを取得するためには、いくつかの取得要件を満たす必要があります。主な要件は次のとおりです。

  • 75万ディルハム(約3,000万円)以上の不動産を購入する
  • 指定されたエリア内の不動産を購入する
  • 購入対象は所有権(フリーホールド)の物件
  • 犯罪歴やセキュリティチェックをクリアする

不動産ビザの取得手続き

不動産ビザを取得するには、ドバイの不動産登録部門(DLD)にて不動産購入の正式登録を行う必要があります。その後、不動産所有証明書を提出し、ビザ申請を進めます。申請には次の書類が必要です。

  • パスポート
  • 健康診断結果
  • 銀行残高証明書

ビザ発行のためには、実際にドバイに入国し、指紋採取や写真撮影などの手続きを完了させる必要があります。

不動産ビザの更新

不動産ビザは2年ごとに更新が必要です。更新手続きでは、所有不動産の証明書を再提出する必要があり、更新には追加の手数料がかかります。条件を満たしている場合、2年間の延長が可能です。

ゴールデンビザの概要

ゴールデンビザは、特定の条件を満たした外国人に対して、ドバイ政府が付与する長期居住ビザです。主に富裕層や専門職、優れた才能を持つ個人を対象としており、ドバイ政府の優秀な人材獲得戦略の一環として設けられた制度です。

このビザは、ドバイでの長期滞在を希望する人にとって、最も条件が良く安定した居住権を提供します。

ゴールデンビザの特徴

ゴールデンビザは、5年間または10年間の長期的な滞在を可能にする居住ビザです。他の居住ビザと比べても滞在期間が非常に長く、たとえば就労ビザ(通常2年間)よりも更新の手間が大幅に軽減されます。また、次の特徴があります。

  • 家族ビザの取得が可能:申請者の配偶者や子ども、さらには両親にも家族ビザが付与されます。
  • 更新の容易さ:条件を満たしていれば、ビザは更新可能で、長期にわたる安心感を提供します。
  • 柔軟性:他の居住ビザと異なり、6ヶ月以上の海外滞在も認められます。

ゴールデンビザの取得要件

ゴールデンビザの取得は比較的ハードルが高く、特定の職業や条件を満たす必要があります。職業ごとに要件が異なり、代表的な例には次のものが挙げられます。

専門職向けの要件

  • 医師、科学者、アスリート、経営者など、特定の専門職での活躍
  • 国際的な受賞歴、学術的な研究成果、または政府からの推薦が必要な場合がある

不動産投資家向けの要件

不動産投資家のカテゴリーは比較的取得がしやすいとされています。具体的な要件は次のとおりです。

  • 200万ディルハム(約8,000万円)以上の不動産投資であること。
  • 融資を活用する場合、アラブ首長国連邦(UAE)指定の銀行からの借り入れであること。
  • 不動産は申請者名義で完全所有すること。
  • 共同所有の場合、200万ディルハム以上の投資で5年間の滞在が可能。
  • 対象となる不動産は、住宅用・商業用いずれも可。複数の不動産の合計も対象となる。

ゴールデンビザの取得手続き

ゴールデンビザは専用のオンラインプラットフォームを通じて申請します。具体的な手続きは次のとおりです。

  • オンライン申請:ドバイ政府が提供する専用プラットフォームで申請を開始します。
  • 必要書類の提出:投資証明書、財務状況報告書、学歴証明書、職歴証明書などを提出します。
  • 審査プロセス:ドバイ政府による詳細な審査が行われます。健康診断やセキュリティチェックも含まれます。
  • ビザ発行:審査を通過するとゴールデンビザが発行され、家族ビザの付与も可能です。

個人での手続きは複雑な場合が多いため、専門のエージェントに依頼することをおすすめします。

ゴールデンビザの更新

ゴールデンビザは、要件を満たしている限り更新が可能です。更新手続きの流れは次のとおりです。

  • 活動の継続証明:初回申請時と同様、専門分野での活動や投資を継続していることを証明します。
  • 健康診断と背景チェック:更新時にも健康診断やセキュリティチェックが再度行われる場合があります。

更新手続きにより、長期にわたる安定した滞在を確保できます。

不動産購入で不動産ビザを取得するメリット

ドバイでの不動産ビザの取得は、単なる長期滞在の手段にとどまらず、経済的・生活的な多くのメリットを享受できる魅力的な選択肢です。不動産投資を通じて得られる居住権は、税制優遇や資産形成、安定した生活環境を獲得できます。最後に、具体的なメリットについて解説します。

  • 税制に優位性がある
  • 治安が良い
  • 不動産価格の上昇が見込める
  • 不動産投資で賃料収入が見込める

税制に優位性がある

ドバイで不動産ビザを取得する大きなメリットの一つは、税制上の優遇措置です。

ドバイは、キャピタルゲイン税(資産の譲渡所得に課税される税金)や固定資産税が無税であり、不動産投資にかかる税負担を最小限に抑えられます。個人所得税や住民税も課されないため、ドバイで得た不動産所得をほぼそのまま手取りとできる点が魅力です。そのため、他国では実現が難しい効率的な資産運用が可能となります。

たとえば、同じ不動産運用を日本で行う場合、キャピタルゲイン税の税率は短期譲渡所得(所有期間5年以内)で39.63%、長期譲渡所得(所有期間5年超)で20.315%にも上ります。ドバイでは完全に非課税ですので、その差は歴然です。

仮に、所有期間5年以内に不動産を売却し譲渡所得が5,000万円になった場合、日本では1,981万5,000円の税金を支払う必要がありますが、ドバイでは0円です。手取りは日本で3,018万5、000円なのに対し、ドバイでは5,000万円です。

ドバイの税制優遇政策は、資産形成や長期的な投資計画を立てる上で非常に有利な環境を提供しています。特に不動産投資を行わず自宅のみ所有の場合であっても、売却時に大きな差となるためその恩恵を受けることができます。

治安が良い

ドバイは、世界的に見ても治安の良い都市として知られており、移住者にとって安心・安全な生活環境を得られます。

ドバイ政府は厳格な法律の施行と高度なセキュリティ体制を維持しており、ドバイは犯罪率が非常に低い都市の一つです。特に、人身に対する暴力犯罪は非常に少なく、女性や子どもたちにとっても安全な都市といえるでしょう。

街中にはAI搭載の監視カメラが数多く設置されており、住民の安全確保に貢献しています。このため、夜間の一人歩きも安心してできるなど、高い安全意識が根付いています。

不動産価格の上昇が見込める

ドバイの不動産市場は、今後も成長が期待される分野です。ドバイ政府による、経済の多角化と都市開発計画があります。

ドバイは地域の交通インフラ整備や観光施設の開発を積極的に進めており、都市全体の魅力が向上しています。砂漠しかなかったドバイが今日超近代的な都市に生まれ変わったのは、ドバイ政府による継続的な都市開発計画があったからです。

ドバイ政府は今後も積極的な都市開発計画を実施する予定で、「ドバイ・都市マスタープラン 2040」では以下の目標を掲げています。

  • 780万人への人口増加
  • 既存とあわせ5つの都市中心部の建設
  • メトロ&トラムによる交通システムの充実
  • 商業活動のための土地面積は168平方キロメートルに増加
  • 公共ビーチの長さを400%増加

この計画にともなって、住宅需要が急上昇すると予測されています。人口増加計画に支えられ、不動産価格の上昇が中長期的に期待できる点は、投資家にとって非常に魅力的といえるでしょう。

不動産投資家にとっては大きなキャピタルゲインを期待できますが、自宅を所有するのみの移住者にとっても、自宅の住み替えなどの売却時に余裕資金を得られますので、大きなメリットとなります。

不動産投資で賃料収入が見込める

ドバイで不動産を購入するもう一つの大きな利点は、安定した賃料収入・インカムゲインを得られることです。

ドバイは世界中から観光客やビジネスパーソンが訪れる国際都市であり、賃貸住宅市場が非常に活発です。特に、短期滞在者向けの高級アパートメントやサービス付きアパートメントは、つねに高い需要があります。人口増加計画にともない、長期的な賃貸需要も増加が見込まれています。

投資家にとっては、賃料収入を通じて安定したキャッシュフローを確保できる点が大きな魅力です。ドバイの主要エリア(たとえば、ドバイ・マリーナやダウンタウン)では、年間の利回りが6~9%に達することも珍しくありません。これは他国の主要都市と比較しても非常に高い水準です。

観光シーズンには、Airbnbなどの短期賃貸プラットフォームを活用して高い賃料を得られます。柔軟な賃貸経営が可能な点も、ドバイ不動産の魅力の一つといえるでしょう。

まとめ

ドバイの不動産ビザを取得することには、単なる居住権の取得を超え、税制優遇、資産形成、安全な生活環境といった多くのメリットがあります。不動産市場の成長性や賃貸需要の高さも、不動産投資家にとって大きな魅力となっています。

資産に余裕があり、さらなる長期滞在を望むのであれば、ゴールデンビザという選択肢もあり、より充実した移住生活を実現できます。ドバイは、今後もその魅力を増し、グローバルな投資家や移住者を惹きつけてやまないでしょう。

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