ドバイは今、世界の投資家から熱い視線を浴びています。ドバイへの投資や移住は、もはや一過性のブームではなく、戦略的にも合理的な選択肢として確固たるものとなっているのです。今回は、ドバイ不動産への投資と移住、法人設立について解説し、日本人投資家に有益な情報を提供します。
※本記事では通貨換算は1AED=40円で計算しています。
日本人投資家がドバイに注目している理由
日本人投資家がドバイに注目する背景には、経済の安定的成長と先進的な都市計画があります。世界経済が不透明感を増す中、ドバイは高リターンと安全性を兼ねそなえた投資先として大きな期待が寄せられているのです。ここでは、日本人投資家がドバイに注目している主な理由を解説します。
- ドバイの経済成長と安定した投資環境
- タックスヘイブン税制のインパクト
- ビザ取得のしやすさと長期滞在の可能性
ドバイの経済成長と安定した投資環境
ドバイは石油依存から脱却し、観光・貿易・金融など多角的なビジネスに取り組み成長を遂げています。近年では、暗号資産に代表されるWeb3.0(ウェブスリー)の開発に力を入れており、DeFi(分散型金融)やNFT、DID(分散型アイデンティティ)などの最先端開発者が集っています。
ドバイ政府の安定したリーダーシップと積極的な都市開発政策は、海外投資家の安心材料です。国際的なイベントやインフラ投資も進み、世界的なビジネス都市としての地位を確立しています。
タックスヘイブン税制のインパクト
ドバイでは、所得税・キャピタルゲイン税・固定資産税など多くが原則ゼロです。2023年に法人税が導入されましたが、課税対象は高所得企業に限られ、税率も9%と非常に低い水準に抑えられています。
タックスヘイブン税制により、手取り収入が増加し、事業利益を効率的に再投資できる環境が整うため、企業や個人にとって資産形成が加速しやすくなっています。その結果、ドバイは世界中から投資家や富裕層を引き寄せ、グローバル経済を牽引する重要な拠点となっているのです。
ビザ取得のしやすさと長期滞在の可能性
ドバイは、不動産投資などを通じて長期滞在ビザの取得が可能です。投資家ビザやゴールデンビザの取得により、実際にドバイへ移住し、生活・ビジネスの拠点とできます。
ビザは更新が可能で、家族の帯同も認められており、教育や医療サービスの利用も可能です。柔軟なビザ制度が、ドバイを投資先にとどまらない移住先としても魅力的にしています。
ドバイにおける不動産投資のメリット
ドバイの不動産市場は透明性が高く、外国人にも開かれた環境が整っています。高利回りと安定性を両立できる可能性があり、魅力ある投資先として注目されています。ここでは、ドバイにおける不動産投資のメリットについて解説します。
- 日本人投資家でも情報アクセスがしやすい
- 外国人でも安心して購入できる
- キャピタルゲインとインカムゲインの両立が期待できる
日本人投資家でも情報アクセスがしやすい
ドバイの不動産取引は、政府機関(DLD)により厳格に管理されており、すべての売買履歴が公的に登録・公開されています。同制度により市場の透明性が確保されており、日本人投資家でも信頼できる情報にもとづいて判断が可能です。
DLDの公式サイトでは、地域ごとの価格推移や平均賃料なども確認できます。日本語に対応できるエージェントも増えており、言語面の不安が少なく、オンラインやセミナーを通じた情報収集も容易です。
外国人でも安心して購入できる
ドバイでは、外国人でも指定エリア(フリーホールド)で不動産の完全所有が認められています。土地付きの物件も購入可能で、法整備も進んでいるため、安心して取引できます。
契約から登記までの流れも明確で、弁護士やエージェントのサポートがあればスムーズに進行します。紛争時の解決制度や投資家保護も整っており、初めての海外不動産投資でも安心感があります。
キャピタルゲインとインカムゲインの両立が期待できる
ドバイ不動産は、価格上昇による売却益(キャピタルゲイン)と、家賃収入(インカムゲイン)の双方が狙える点が魅力です。経済成長や国際イベントの開催、人口増加などが価格上昇の背景にあり、将来的な資産価値の向上が期待されています。
賃貸需要も旺盛で、年5〜9%前後の利回りが見込める物件も多いため、安定的なインカムゲインが得られます。家賃収入に税金がかからない点も、再投資による資産拡大に大きく貢献します。
日本人投資家を惹きつけるドバイ移住の魅力
ドバイは、投資先としてだけでなく、実際に生活の拠点を移す移住先としても高い人気を誇っています。税制メリットだけでなく、住環境の快適さや治安の良さ、先進的な都市インフラなど、多角的な魅力がその背景にあります。ここでは、日本人がドバイへの移住を考える際に知っておくべきポイントを解説します。
- 不動産購入で得られる長期ビザ
- 世界屈指の治安の良さ
- 最先端の都市機能と多様なライフスタイル
不動産購入で得られる長期ビザ
投資によるビザ取得制度は、ドバイを移住先として選ぶ最大の理由の一つです。特定の条件を満たすことで、ドバイ政府から長期滞在が可能なビザを取得できます。
- 不動産ビザ
- ゴールデンビザ
不動産ビザ
不動産ビザは、一定額以上の不動産を購入することで取得できる居住用ビザです。不動産ビザを取得するためには、75万AED(約3,000万円)以上の物件を購入すること、犯罪歴がないこと、健康状態が良好であることなどの要件が必要となります。更新も可能で、安定的にドバイに滞在できる仕組みとなっています。
ゴールデンビザ
ゴールデンビザは、アラブ首長国連邦(UAE)が2019年に導入した長期滞在ビザ制度で、すぐれた才能を持つ人材や大規模な投資家の誘致を目的としています。不動産投資の場合、要件として200万AED(約8,000万円)以上の物件購入が求められます。
同制度は滞在許可期間が10年と長く、ドバイでの長期居住を希望する投資家にとって、非常に魅力的な選択肢となります。具体的な条件は時期や申請者の状況によって変動するため、申請前には必ずUAE政府の最新情報を確認することをおすすめします。
世界屈指の治安の良さ
海外移住を検討する際に、治安は重要な要素です。ドバイは世界的に見ても犯罪発生率が極めて低く、住民の安全を第一に考えた都市設計と行政管理がなされています。
街には高性能な監視カメラが設置されており、警察による巡回体制も整備されています。また、UAE全体で厳格な法律が敷かれていることもあり、軽犯罪の発生も少ない環境です。女性や子どもも安心して暮らせる都市として、ファミリー層からの支持も厚くなっています。
最先端の都市機能と多様なライフスタイル
ドバイのもう一つの大きな魅力は、最先端の都市インフラと国際色豊かなライフスタイルです。移住後の生活の質を高めるためには、住宅・教育・医療・交通などのインフラが整っていることが欠かせませんが、ドバイはそのすべてが世界基準で整っています。
超高層ビルや最新の公共交通機関、24時間営業のスーパーマーケット、大規模ショッピングモール、高級レストランなどが街に点在しており、非常に利便性が高いのが特徴です。
世界中からの移住者が集まっているため、多文化が自然に共存しています。インターナショナルスクールの数も多く、英語・フランス語・ドイツ語など、さまざまな言語で教育を受けることができます。医療機関も高水準で、日系クリニックや日本語対応の病院も存在しており、日本人が安心して暮らせる生活環境が整っています。
ドバイでの法人設立とビジネス投資
不動産投資と並んで、ドバイが注目を集めている理由として、法人設立の柔軟性と税制優遇が挙げられます。多国籍企業の本社機能やスタートアップの拠点としても選ばれ、日本人にとってもビジネスチャンスのある都市として評価されています。
ここでは、法人設立の流れと、「フリーゾーン法人」と「本土法人」の違い、税制メリットと注意点について解説します。
法人設立に必要な手続きと費用
ドバイで法人を設立する際にはいくつかの手続きを踏む必要がありますが、近年ではオンライン化も進んでいます。設立の基本的なステップは次のとおりです。
- 事業内容の決定
- 法人形態の選択
- ライセンスの取得
- 登記・資本金の払い込み・オフィスの登録
- 銀行口座の開設・ビザの申請
事業内容の決定
まずは自分がどのようなビジネスを行うかを明確にします。たとえば、貿易、コンサルティング、ITサービス、不動産仲介など、活動内容によって必要なライセンスが異なります。
法人形態の選択
ドバイには「フリーゾーン法人」と「本土法人(Mainland Company)」という大きく2つの法人形態があり、それぞれメリットと制限があります。これについては後述します。
ライセンスの取得
事業内容に応じた商業ライセンスを申請・取得します。ライセンスには、商業、工業、プロフェッショナルなどの区分があり、取得費用は数千〜数万AED程度です。
登記・資本金の払い込み・オフィスの登録
法人としての公式な登記を行い、必要に応じて資本金を払い込みます。フリーゾーンではバーチャルオフィスの活用も可能です。
銀行口座の開設・ビザの申請
法人名義の口座を開設し、経営者や従業員のビザを取得します。銀行口座開設にはパスポートやライセンス証明書などが必要です。
これらの手続きを代行するコンサルティング会社も多数あり、日本語対応も可能です。初期費用は法人形態によって異なりますが、おおむね50万〜100万円程度が目安です。
フリーゾーンと本土法人の違い
ドバイでの法人設立には、「フリーゾーン法人」と「本土法人(Mainland)」の2つの選択肢があります。フリーゾーン法人は、100%外資での設立が可能で、資本・利益の移動も自由です。ただし、ドバイ本土での直接取引には制限があるため、オンラインビジネスや国際取引向きです。
本土法人は、ドバイ全域での営業が可能で、官公庁や地元企業との取引も自由です。以前は現地パートナーが必要でしたが、現在は業種によって外資100%も認められています。実体ある運営が前提となるため、初期コストや手続きがやや複雑です。
法人設立で実現する税務メリットと留意点
ドバイの法人税制は非常に優遇されており、正しく活用すれば大幅な税務メリットが期待できます。しかし、近年の国際的な税制整備により、注意点も増えてきています。
ドバイは長らく法人税が無税でしたが、2023年からは法人税が課税されるようになりました。ただし、税率は9%と低く、年間課税所得が37万5,000AED(約1,500万円)以下の場合は非課税に設定されています。これは、日本の法人税の実効税率が約30%なのに比べても、圧倒的に有利であり、利益の再投資や配当に回す余地が大きくなります。
一方で、2023年以降、経済協力開発機構(OECD)の「BEPS(税源浸食と利益移転防止)」に準拠する動きが進んでおり、実体のない法人設立や節税目的だけの設立にはリスクが伴います。
日本には「タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)」があり、日本の居住者が一定の要件を満たす外国子会社を保有している場合、子会社の所得の一部または全部を日本の親会社の所得として合算して課税されます。ドバイで設立する法人が節税目的のペーパーカンパニーの場合は、ほぼ100%課税されるため、注意が必要です。
ドバイ投資の注意点とリスク管理
ドバイは非常に魅力的な投資先ですが、相応のリスクがともないます。リスクの種類とその対策を事前に把握することが、長期的な成功につながります。ここでは、ドバイ投資における代表的なリスクと、そのヘッジ方法について解説します。
- 不動産価格変動リスクを見極める
- 為替リスクに備える
- 信頼できる現地パートナーと連携する
不動産価格変動リスクを見極める
ドバイの不動産市場は、ここ20年あまりで急激な上昇を遂げた一方で、経済の浮き沈みや開発バブルの影響で価格が大きく変動した時期もあります。
2008年のリーマンショック直後に発生した「ドバイショック」では、不動産価格がピーク時から最大60%の下落を記録し、外資の撤退や政府系デベロッパーの破綻危機によってマーケットが一時クラッシュしたことがありました。
ドバイショックの経験をふまえ、ドバイ政府はエスクロー口座(信託口座)制度の義務化、不動産登記と取引のモニタリング体制強化、企業の財務開示の透明性や財政規律の強化を進め、市場の健全化を図ってきました。現在のドバイ市場は堅調に成長しており、ドバイショック再来の可能性は低いと見られています。
ただし、世界的な経済危機が発生した場合は、その影響から無縁ではいられないため、節度ある投資設計が望ましいでしょう。
為替リスクに備える
UAEの通貨であるディルハム(AED)は、米ドルと固定相場(ペッグ制)で結ばれています。そのため、新興国でありがちな通貨危機のリスクは低いと見られていますが、米ドルと日本円との為替差による影響はつねに考慮が必要です。
購入時が円安の場合、物件価格が相対的に割高になり、将来的な為替の戻りによって実質的な損益が変動する可能性があるのです。海外投資において為替リスクは避けられないため、基本的には為替差損以上の高リターンを実現することが目標となります。
信頼できる現地パートナーと連携する
言語、商習慣、法律などが日本と異なるドバイでの取引においては、「誰と組むか」が成功を大きく左右します。ドバイ投資においては、現地の制度や文化に精通した専門家との連携がトラブルを回避し、スムーズな投資・運用を可能とします。
不動産購入時には、ライセンスを持つ信頼できるエージェントに依頼します。政府登録番号(RERA登録)を確認し、過去の実績や第三者レビューをチェックしましょう。
法人設立や税務関連では、経験豊富なコンサルティング会社や国際税務に詳しい税理士との連携が重要です。国際税務や移住関連の知識に長けた専門家は、日本とドバイ両方の事情をふまえて、適切にアドバイスしてくれます。
まとめ
ドバイは日本人投資家にとって、資産運用、節税、移住、ビジネス展開のすべてを実現できる稀有なエリアといえます。まずは、信頼できる専門家に相談することから第一歩を踏み出しましょう。
ドバイでの不動産投資にご興味をお持ちの場合は、当サイト「ドバイ不動産投資ガイドfor日本人」までお気軽にお問い合わせください。当サイトでは、ドバイ現地で不動産の情報を収集しており、不動産の賃貸や売買の仲介も行っております。
日本人のスタッフが中心に行っているため、英語ができない方や、ドバイに関する知見をお持ちでない方も安心してご利用頂くことができます。少しでもご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。