ドバイ不動産は、高利回りと税制優遇により世界の投資家を惹きつけています。不動産購入は投資だけでなく、移住や資産形成の手段としても活用可能です。今回は、買い方から購入プロセス、注意点までを徹底解説します。
ドバイ不動産投資が注目される理由
ドバイの不動産市場は、近年世界中の投資家から大きな注目を集めています。ここでは、その理由を投資と移住、それぞれの側面から解説します。
- インカムゲイン・キャピタルゲインなど不動産投資のメリットがあるから
- 税制優遇などの移住のメリットがあるから
インカムゲイン・キャピタルゲインなど不動産投資のメリットがあるから
ドバイの不動産投資は、インカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(売却益)の両面で魅力があります。
まず、運用利回りが平均5~9%と高く(インカムゲイン)、ロンドンやニューヨーク、東京などの先進都市の平均利回りを上回る水準となっています。
また、ドバイは中東のハブであり、ビジネスやレジャー目的の人々が集まるため、賃貸需要が安定しています。人口増加も資産価値の上昇を後押ししています。
2025年現在、ドバイの人口は400万人を超え、毎年数パーセントの増加が見込まれています。これにより、不動産価格の長期的な上昇が期待できます(キャピタルゲイン)。
こうした点が評価され、多くの投資家がドバイをポートフォリオに組み入れているのです。
税制優遇などの移住のメリットがあるから
ドバイは投資だけでなく、移住先としても人気があります。ドバイ移住のメリットとして、給与や事業収入に対する所得税がない点が挙げられます。ビジネスパーソンや起業家にとって、収入を最大限に活かせる環境といえるでしょう。
犯罪発生率が低く、安全な都市である点も魅力です。ドバイは世界でもっとも安全な都市の一つにランクインしており、家族連れの移住者も安心です。監視カメラの普及や、厳格な法執行がその基盤となっています。
英語が広く通用するため、ビジネスや生活に支障が少ない点もポイントです。公用語はアラビア語ですが、ビジネスシーンや日常会話では英語が主流で、日本人移住者もスムーズに適応できます。
ドバイで購入できる不動産の種類
ここでは、ドバイで購入できる居住用不動産の種類を紹介します。
アパートメント、ヴィラ、タウンハウス
ドバイの居住用不動産は「アパートメント」「ヴィラ」「タウンハウス」の3種類に分けられます。
アパートメント
アパートメントは、日本でいうマンションに相当します。都市部の高層住宅で、利便性が高いのが特徴です。ダウンタウンやビジネスベイなどのエリアに多く、ショッピングモールや交通機関へのアクセスが良好です。
投資家にとっては、賃貸需要が高いため、安定した収入源となります。価格帯はスタジオタイプで約1,000万円から、高級ペントハウスで数億円規模まで幅広くあります。
ヴィラ
ヴィラは、戸建て住宅のことです。広々とした庭付き戸建て住宅は、富裕層の家族向けといえるでしょう。エミレーツヒルズやパームジュメイラなどの高級エリアに数多く建てられ、プールが標準装備されているケースが多くあります。
移住目的で選ぶ場合、ゆったりとした生活空間が魅力ですが、維持管理費がかかる点には注意が必要です。価格はおおよそ3,000万円以上からあり、高級物件は10億円以上もあります。
タウンハウス
タウンハウスは、アパートメントとヴィラの中間に当たる長屋形式の建物のことです。価格と居住性のバランスが良いことが特長です。
複数の住戸が連なってコミュニティを形成しており、共同で施設を利用できます。家族向けに適していて、ドバイヒルズなどの開発エリアで人気です。
オフプランとレディプラン
ドバイの不動産は、物件の購入タイミングによって「オフプラン」と「レディプラン」に分けられます。
オフプラン
オフプランは、建設中の物件を購入するタイプです。デベロッパーから直接購入し、完成前に契約する形態です。購入価格が物件完成時の70~80%程度で抑えられるため、キャピタルゲインを狙う投資家に人気です。ただし、開発者の信頼性をチェックし、遅延時の補償条項を確認してください。
レディプラン
レディプランは、完成済み物件を購入するタイプです。現物確認ができますが価格はオフプランに比べて高めになります。すぐに賃貸や入居が可能で、リスクが低いことがメリットです。
実際の購入の場面では、自身の資金計画とリスク許容度を考慮して、オフプランにするかレディプランにするかを決めましょう。
投資目的と移住目的
物件選びは、目的によって異なります。
投資目的なら、オフプランのアパートメントが適しています。高需要エリアの物件を選べば、5〜9%の利回りが期待できます。キャピタルゲインを狙うなら、話題が集中している開発エリアを検討してください。
移住目的では、ゆったりとした生活を望むならヴィラ、利便性を重視するなら都市部のアパートメントをおすすめします。価格と利便性のバランスの取れたタウンハウスでも良いでしょう。不動産ビザ(Property Owner Visa)やゴールデンビザ(Golden Visa)を取得すれば、家族帯同で長期滞在が可能となります。
ドバイ不動産の買い方・基本的な流れ
ドバイでは、フリーホールドエリア内であれば、外国人でも完全な所有権付きの不動産が購入できます。ここでは、ドバイ不動産購入の基本的な流れを解説します。
- 物件を内覧する
- 売買合意書(MoU)を締結する
- 不動産売買契約書(SPA)を締結する
- ペイメントプランにもとづき残代金を支払う
- 引き渡しを受けDLDへ登記する
物件を内覧する
まず、物件概要の把握と内覧を行います。現地訪問やオンライン内覧を通じて、立地・品質・管理状況を確認します。エージェントを介してスケジュールを組み、周辺環境や施設の状態をチェックしてください。
昨今では、VRツアーも普及しており、遠隔地からでも詳細を確認できます。レディプラン物件の内覧時は、建物の耐久性やメンテナンス履歴も質問しましょう。
なお、オフプラン物件であれば、日本にいながら物件の詳細な説明を受けられ、引き渡しまで国内で契約を完結できます。
売買合意書(MoU)を締結する
内覧後、購入意思を確認する売買合意書(MoU)を交わします。通常、物件価格の10%程度のデポジットを支払います。
この段階で価格交渉を行い、条件を合意します。MoUは法的拘束力があり、買主都合でキャンセルするとデポジットが没収されることには注意が必要です。
不動産売買契約書(SPA)を締結する
正式な不動産契約書(SPA)を締結し、支払い条件を確定させます。SPAには物件の詳細情報、価格、ペイメントプラン(支払いスケジュール)が記載されます。
SPAは通常英語で書かれているため、弁護士のレビューが推奨されます。条項に不明点がある場合は、必ず解消するようにしましょう。この段階で、開発者からNOC(異議なし証明書)を求められる場合があります。
ペイメントプランにもとづき残代金を支払う
買主がペイメントプランにもとづき、エスクロー口座に残金を支払います。オフプラン物件の場合は、工事進捗に応じて分割するのが一般的です。たとえば、建設20%進捗で20%支払いといった形です。
エスクロー口座とは、売主と買主の間に立つ信頼できる中立的な第三者が管理する口座です。売主は定められた条件を満たさない限り、エスクロー口座から出金することはできません。
この制度によって、買主は開発者の倒産リスクや工事遅延リスクを低減できます。
引き渡しを受けDLDへ登記する
物件が完成したら引き渡しを受け、ドバイ土地局(DLD)にて所有権を登記します。TitleDeed(権利証書)を取得し、所有権を正式に取得します。登記には数日かかります。
信頼できるエージェントの選び方
ドバイで不動産購入を成功させる最大の鍵は、信頼できるエージェントに依頼することです。ここでは、信頼できるエージェントの選び方のポイントを解説します。
- RERA(不動産規制庁)のライセンスを持つかを確認する
- 過去の実績や顧客レビューを調べる
- 日本語対応が可能かを確認する
RERA(不動産規制庁)のライセンスを持つかを確認する
信頼できるエージェントを選ぶための第一歩は、RERA発行のライセンス番号を確認することです。
RERAはドバイの不動産規制庁で、ライセンス保有者は厳格な基準をクリアしています。公式ウェブサイトで番号を検証し、ライセンスのないエージェントは避けるようにします。
過去の実績や顧客レビューを調べる
過去の販売実績や取引事例も確認するようにしてください。どのような物件を扱ってきたか、どのような投資家をサポートしてきたかを調べると、そのエージェントの専門性と経験値がわかります。
Googleレビューや専門フォーラムを活用し、満足度の高いエージェントを選んでください。実績豊富なエージェントは、市場トレンドのアドバイスも提供します。
日本語対応が可能かを確認する
日本語対応可能なエージェントを利用すれば、契約や手続きの不安を軽減できます。日本人向けの専門エージェントが増えており、言語の壁を解消しています。
事前に問い合わせ、対応言語を確認しましょう。これにより、細かなニュアンスの誤解も防ぐことができます。
ドバイ不動産の購入における支払い方法
ドバイ不動産の支払い方法は、日本の不動産取引とは異なる面があります。資金計画を立てるためにも、支払い方法の理解が必要です。ここでは、ドバイ不動産の購入における支払い方法について解説します。
- 現金で一括払いする
- 分割払いをする
現金で一括払いする
現金一括払いにより、割引を受けられる場合があります。開発会社によっては、5〜10%のディスカウントが可能です。資金力がある投資家向きの方法です。
分割払いをする
オフプラン物件は、工事進捗に合わせて分割して購入代金を支払います。資金を分散して支払うことができるため、ローンが組めないケースでも負担は軽減できます。
分割払いに金利は発生しませんが、遅延時にはペナルティが課せられるケースがあるため、SPAを確認しましょう。
ドバイ不動産の購入におけるローン利用の可否
日本では不動産を購入する際、金融機関のローンを利用するのが一般的ですが、ドバイではどうでしょうか?ここでは、ドバイ不動産の購入におけるローン利用について解説します。
外国人でも利用できる
ドバイでも、居住者は住宅ローンを利用することが一般的です。また、非居住者の外国人でも、一部銀行でローンが利用可能です。
日本では、個人がマイホームの購入・新築・増改築などに利用するのが「住宅ローン」で、不動産投資用に収益物件を取得するために組むのが「不動産投資ローン」です。両者は目的が異なり、金利や返済期間も異なるため、住宅ローンを組んで不動産投資を行うことはできません。
ドバイでは、住宅ローンの利用において実需・投資の区別がありません。不動産投資のための物件購入においても、住宅ローンの利用が可能です。ただし、融資にはいくつかの条件があります。
ドバイでのローン利用の注意点
ローンが利用できるのはレディプラン物件のみであり、オフプラン物件には適用できません。オフプラン物件は未建設のため、オーナーによる所有権が登記されておらず、金融機関が抵当権を設定できないためです。
融資限度額は物件価格の50〜60%に設定されています。つまり、頭金が40〜50%必要になるということです。
金利も日本よりかなり高めです。特に非居住者は、居住者よりも金利が高めに設定されるのが一般的です。変動金利型で3〜5%程度となり、不動産投資のためにローン活用を考える場合には、かなりの高利回りでないとイールドギャップ(実質利回りと借入金利の差)が取れません。
ドバイ不動産購入のためにローンを活用する方法として、日本の金融機関から融資を受ける方法があります。ドバイの現地銀行より低金利の融資を受けられる可能性がありますが、担保となる国内不動産を所有しているなどの条件が必要となります。
ドバイ不動産の購入に必要な初期費用
最後に、購入時にかかる物件価格以外のさまざまな初期費用について解説します。
- 仲介手数料
- DLD登録料
- 弁護士費用
仲介手数料
仲介手数料は、不動産エージェントが物件の紹介や契約手続きをサポートする対価として支払う費用です。物件価格の2%が目安です。交渉次第では値下げにも応じてもらえる場合もありますが、極端な値引きはサービスの質に影響する可能性があるため注意が必要です。
仲介手数料は通常、売買契約書(SPA)締結時、または物件引き渡し時に支払われます。支払い方法は銀行振込が一般的ですが、エージェントによっては分割払いを受け付ける場合もあります。事前に手数料の支払いタイミングや条件を確認し、予算に含めておきましょう。
なお、オフプラン物件では、仲介手数料がかからないケースもあります。こうした物件であれば、初期費用を抑えられます。
DLD登録料
ドバイ土地局(DLD)への登録料は、所有権を正式に登録し、TitleDeed(権利証書)を取得するためのもので、物件価格の約4%です。
DLD登録料は、買主と売主で折半するケースも見られますが、商慣習的には買主が全額負担します。契約書に折半の取り決めがある場合は、事前に確認しましょう。
現在、DLDはオンラインでの登記手続きを強化しており、通常数日で処理が完了します。
弁護士費用
弁護士費用は、契約や登記サポートに必要な費用で、5,000〜8,000ディルハム(20〜32万円)程度が目安です。ドバイでの不動産購入は、外国人にとっても比較的簡潔な手続きですが、言語の壁や法的な細かい条項を理解するためには、専門家の助けが必要になるケースがあります。
弁護士は、売買契約書(SPA)のレビューや、デベロッパーとの交渉、所有権移転の確認をサポートします。専門家の目が入ることで、トラブルを未然に防止できます。
まとめ
ドバイ不動産購入のアウトラインを解説しました。投資目的か移住目的か、オフプランかレディプランかによって、購入の流れや支払い方法が若干変わります。
選ぶべき物件や判断に迷う場合は、信頼できるエージェントへ相談し、自身の目的に合った最適な購入プランを立てるようにしましょう。
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