空前の活況を呈するドバイ不動産。その将来性は、一時的なブームではなく、緻密な国家戦略と圧倒的な人口増加という「構造的な強さ」に裏打ちされています。今回は、ドバイ不動産成長の根拠から主要都市との比較、狙い目の注目エリアまで徹底的に解説します。世界中の富が集まるこの都市で、賢明な投資判断を下すための指針を提示します。
※文中のAED(ディルハム)・円レートは、1AED=40円で計算しています。
ドバイ不動産が注目されている理由
現在、ドバイは「砂漠の奇跡」を超え、世界で最もダイナミックな「資産の避難先」として君臨しています。では、なぜ今これほどまでに世界中の視線が注がれているのでしょうか?ここでは、ドバイ不動産が注目されている主な理由を解説します。
- 世界中の投資マネーが集まっているから
- 石油依存からの脱却をめざす経済構造になっているから
- 金融・IT・観光・物流が集積する国際ハブ都市になっているから
<h3>世界中の投資マネーが集まっているから</h3>
欧米のインフレや増税傾向、地政学的な不安定さを背景に、富裕層や機関投資家は「安全で成長が見込める場所」へ資金を移動させています。ドバイは中立的な外交姿勢を貫いており、欧米諸国だけでなく、ロシアや中国、インド、中東諸国などからも、ポートフォリオの多様化を目的とした巨額の資金が流入しています。
注目すべきは、Henley & Partnersの調査でも示されている「ミリオネアの移住者数」です。ドバイは世界で最も多くの富裕層が移住する都市の一つとなっており、2024年には6,700人の移住が予想されているのです。
参照:Henley & Partners The UAE: A Strategic Haven for High-Net-Worth Families
不動産取引総額は過去最高を更新し続けています。この潤沢なキャッシュによる不動産購入が、市場の流動性を高い状態に保っています。
<h3>石油依存からの脱却をめざす経済構造になっているから</h3>
「ドバイ=石油」というイメージは、もはや過去のものです。政府は「D33経済アジェンダ(Dubai Economic Agenda)」を掲げ、2033年までに経済規模を現在の2倍に、そして世界でトップ3の経済都市にランクインさせることを宣言しています。
現在のドバイのGDPにおいて、石油産業の割合はわずか数パーセントにまで低下しました。代わりに金融、デジタル経済、観光、製造業が台頭しており、外部のエネルギー価格に左右されない「多角的かつ持続可能な経済体質」へと変貌を遂げました。
この強固な経済基盤が、不動産価値を中長期的に支える最大のバックボーンとなっています。
<h3>金融・IT・観光・物流が集積する国際ハブ都市になっているから</h3>
ドバイは、東洋と西洋を結ぶ文字通りのハブ(拠点)です。世界一の国際旅客数を誇るドバイ国際空港(DXB)、中東最大級のジェベル・アリ港を軸に、物理的な物流と情報の交差点となっています。
暗号資産やAIなどの最先端技術に対しても「サンドボックス(実験場)」的な柔軟な規制を敷いており、世界中から高度なスキルを持つプロフェッショナルや起業家が移住しています。
起業家たちは単なる短期滞在者ではなく、家族を連れて移住する実需層です。この層の厚みが、高級コンドミニアムからファミリー向けのヴィラまで、幅広い住宅需要の「質と量」を支えています。
不動産市場成長を支えるドバイ政府の国家戦略
ドバイの不動産市場が信頼される最大の理由は、政府が「マーケットの管理者」として有能であり、投資家の利益を守る法整備を加速させている点にあります。
- 外国人投資家を呼び込むタックスヘイブン政策
- 「ドバイ・都市マスタープラン 2040」による都市計画
- 不動産市場成長を支えるドバイ政府の国家戦略
<h3>外国人投資家を呼び込むタックスヘイブン政策</h3>
投資家にとって最大のベネフィットは、その圧倒的な税務メリットです。
- 所得税:0%
- キャピタルゲイン税(譲渡所得税):0%
- 固定資産税:0%(代わりに登記時に4%の印紙税「DLD Fee」を支払うのみ)
2023年6月から9%の法人税が導入されましたが、年間課税所得が375,000AED(1,500万円)以下は非課税とされています。この「手残りの多さ」は、ロンドンやニューヨーク、東京といった他都市と比較して、複利効果を最大化できる圧倒的なアドバンテージといえるでしょう。
<h3>「ドバイ・都市マスタープラン 2040」による都市計画</h3>
ドバイ政府は、2040年までに人口を現在の約370万人から580万人へと大幅に増加させる壮大な計画を推進中です。このプランでは、単なる人口増ではなく、次の5つの主要中心地を軸に都市を再定義しています。
- 歴史・文化地区(バール・ドバイ、デイラ)
- ビジネス・金融地区(ビジネス・ベイ、DIFC)
- 観光・エンターテインメント地区(ドバイ・マリーナ、JBR)
- 万博・物流地区(エクスポ・シティ周辺)
- ハイテク・イノベーション地区(ドバイ・シリコン・オアシス周辺)
国家がどこにインフラ(メトロの延伸や緑地の拡大)を投資するかが地図上で明確になっているため、投資家は「どこを買えば資産価値が維持されるか」を、政府のロードマップから逆算して判断できるのです。
<h3>不動産需要を下支えする長期居住ビザ制度</h3>
ドバイはかつて「稼いで去る場所」でしたが、現在は「住み続ける場所」へと変化しました。その立役者がゴールデンビザ制度です。
200万ディルハム(8,000万円)以上の不動産を保有することで、10年間の居住権が付与されます。この制度は、所有者の家族だけでなく、家事手伝いや運転手までスポンサーできる画期的なものです。
同制度によって、リタイア層や経営層がドバイを本拠地として構えるようになり、不動産市場に「投機的な短期売買」ではない「中長期的な安定性」がもたらされました。
世界主要都市と比較したドバイ不動産価格
「今のドバイは高騰しすぎではないか?」という疑問に対し、データは意外な答えを示しています。
<h3>ドバイ不動産は「バブル」なのか</h3>
2009年の「ドバイショック」の記憶を持つ方は、現在の高騰を危惧されるかもしれません。しかし、当時と現在では市場の健全性が異なります。
当時は過度なローンと実体のない転売が中心でしたが、現在はキャッシュでの購入比率が高く、かつ政府が「エスクロー口座」制度を厳格に運用しています。デベロッパーは、投資家から集めた資金を勝手に流用できず、建設の進捗に合わせてしか引き出すことができません。
UBSの「世界不動産バブル指数(Global Real Estate Bubble Index)」においても、ドバイは1.09という指数を示しており、「やや高い」という評価にとどまっています。ちなみに東京は1.59で「高い」と分析されています。
<h3>東京、ロンドン、シンガポールとの価格比較</h3>
一般財団法人日本不動産研究所の調査によると、東京の高級マンションの価格を2025年4月時点で100とした場合、ロンドンが205.2、シンガポールが140.4となります。
この指数ではドバイは比較されていないため、別の統計で東京とドバイの不動産価格を比べてみます。
毎月首都圏のマンション価格を調査している東京カンテイによると、2025年10月時点で東京23区のマンション価格(70平方メートル換算)は1億1,183万円です。
参照元:東京カンテイ プレスリリース 2025年11月20日
同時期のドバイのアパートメント価格を70平方メートル換算で求めると、129万700AED(約5,162万)となります。そのため、東京の不動産価格指数を100とするとドバイは46.2となります。
参照元:DXB Interact
ドバイのアパートメントは、そのクオリティ(プール、ジム、高級アメニティ完備)に対して、主要都市の中で割安な位置にあります。他の主要都市と比べた不動産単価の低さが、将来の上昇余地への期待を裏付けています。
<h3>利回りから見た投資効率の比較</h3>
投資家が重視すべき実質利回りを数式で示すと、次のようになります。
先進主要都市の賃貸利回りが2~4%台に低迷する中、ドバイは5~9%を狙える稀有な市場です。ランニングコストとして管理費(service charge)は専有面積あたりで計算されますが、固定資産税がゼロであるため、最終的なキャッシュフローは他都市を圧倒します。
将来性が期待される注目の投資エリア
ドバイ不動産投資において、物件そのもののクオリティ以上に成否を分けるのがエリア選定です。ドバイはエリアごとに開発コンセプトやターゲットとなる居住層、さらには土地の希少性が明確に分かれています。
<h3>安定需要が見込める主要人気エリア</h3>
すでにインフラが完成されており、世界的な知名度を誇る王道のエリアです。確実な客付けと、中古市場における高い流動性を重視する投資家に向いています。
- ダウンタウン・ドバイ
- ドバイ・マリーナ
- パーム・ジュメイラ
ダウンタウン・ドバイ
ダウンタウン・ドバイは、世界一の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」と、世界最大級のショッピングモール「ドバイ・モール」を擁する、ドバイの絶対的な中心地です。同エリアは、いわばドバイの「一等地の中の一等地」であり、東京でいえば銀座に匹敵するステータスを誇ります。
ダウンタウン・ドバイの最大の特徴は、供給される土地がすでにほぼ埋まっているという希少性にあります。新規物件の供給が限定的であるため、既存物件の資産価値が落ちにくく、再販時の流動性が高いのが特徴です。
多国籍企業の役員クラス、成功した起業家、観光客による短期滞在需要が絶えません。空室リスクを最小限に抑えつつ、ドバイの経済成長の恩恵をダイレクトに享受できる優良資産といえます。
長期保有による安定したインカムゲインに加え、中心地ゆえの底堅い価格上昇も期待できる、守りと攻めのバランスが取れたエリアです。
ドバイ・マリーナ
ドバイ・マリーナは、高層マンションが立ち並ぶ世界最大級の人工マリーナであり、活気のある居住エリアの一つです。運河沿いには遊歩道が整備され、レストランやカフェ、ビーチへのアクセスも抜群であるため、特に欧米出身のプロフェッショナル層から絶大な支持を得ています。
ドバイ・マリーナは、ドバイの中でも「歩いて生活できる」数少ないエリアです。車社会のドバイにおいて、この歩きやすさは高い付加価値となります。賃貸市場が成熟しており、つねに90%を超える高い稼働率を維持していることが強みです。
中古物件の取引が活発なエリアの一つであり、現金化が必要になった際の出口が描きやすいのがメリットです。
パーム・ジュメイラ
パーム・ジュメイラは世界的に知られるヤシの木型の人工島であり、ドバイのラグジュアリー不動産の象徴です。ここはもはや単なる居住区ではなく、世界中の富裕層が所有を熱望する「コレクターズ・アイテム」としての側面を持っています。
パーム・ジュメイラの価値の源泉は、物理的な限定性にあります。海に囲まれた土地はこれ以上増やすことが難しく、ビーチに面したヴィラ(戸建て住宅)や高級レジデンスの価格は、コロナ禍以降、世界で最も高い上昇率を記録しました。
世界中の超富裕層(HNWIs)が、自国の政情不安や増税からの避難先としてこのエリアの物件を購入します。景気後退局面でも、パーム・ジュメイラのような超一等地の物件は価格が下がりにくいという性質があり、究極の資産防衛としての機能を果たします。
<h3>成長余地が期待される新興開発エリア</h3>
次に、現在は開発の途上にありながら、数年後のインフラ完成時や人口流入時に爆発的な価値上昇が期待できるフロンティア・エリアです。
- ドバイ・クリーク・ハーバー
- ドバイ・サウス
- ジュメイラ・ビレッジ・サークル
ドバイ・クリーク・ハーバー
ドバイ・クリーク・ハーバーは、政府系最大手デベロッパーであるエマール社(Emaar)が、総力を挙げて開発を進めている次世代の中心地です。現在のダウンタウン・ドバイの約2倍の面積を誇り、環境負荷の低いスマートシティとして設計されています。
同エリアの魅力は「エマールが街を丸ごとプロデュースしている」という安心感です。エマールは、物件単体ではなくコミュニティ全体の価値を高める手法に長けており、過去のプロジェクトでも竣工後に価格が大きく上昇した実績があります。
現在はまだ開発段階にあるため、ダウンタウンと比較するとフィート四方単価が割安に設定されています。将来的には、新しいランドマークが建ったり、地下鉄の延伸が完成したりした際、現在のダウンタウンに匹敵する価格水準まで上昇するとの見方が主流です。
ドバイ・サウス
ドバイ・サウスは、アル・マクトゥーム国際空港を中心に、物流、商業、住宅が一体となった巨大な都市開発プロジェクトです。2024年、ドバイ政府はこの空港を世界最大級のハブへと拡張し、エミレーツ航空の拠点を全面的に移転するために、約1,280億ディルハム(約5兆円)を投じる計画を発表しました。
不動産投資の格言に「インフラを追え」という言葉がありますが、ドバイ・サウスはまさにその典型です。空港の拡張とエミレーツ航空の移転により、今後十数年で数万人から数十万人規模の空港・航空関係者の流入が確定しています。
ここは投機的な需要ではなく、そこで働く人々による実需が生まれるエリアです。現在は内陸部で未開発の土地も多いですが、2040年のマスタープランにおいても最重要拠点の一つとして位置づけられており、長期的な地価上昇のポテンシャルはドバイNo.1といっても過言ではありません。
ジュメイラ・ビレッジ・サークル
ジュメイラ・ビレッジ・サークルは、内陸部に位置する円形のマスターコミュニティで、ナキール社(Nakheel)が手がけたエリアです。派手な観光施設はありませんが、緑豊かな公園や学校、クリニックが充実しており、中間所得層のファミリー層に人気があります。
JVCの最大の特徴は、物件価格に対する賃料の高さ、「高い利回り」にあります。ドバイの中心部よりも物件価格が手頃であるため、表面利回りで8~10%、実質利回りで7%以上を確保できる物件が珍しくありません。
ターゲットがドバイの経済を支える中間層の居住者であるため、景気に左右されにくく、安定した家賃収入を期待できます。
また、近年では高級デベロッパーがJVC内にラグジュアリーかつ手頃な価格のコンドミニアムを続々と建設しており、エリア全体のブランド力も底上げされつつあります。少額から始めて、着実にキャッシュフローを積み上げたい投資家にとって、効率的なエリアの一つです。
まとめ
ドバイ不動産は、今後も世界で最も魅力的な投資先の一つであり続けるでしょう。その根拠は、単なる熱狂ではなく、「人口増加」「盤石な国家ビジョン」「世界一の税務メリット」「インフラへの巨額投資」という4つの歯車が完璧に噛み合っていることにあります。
投資である以上リスクはあります。しかし、2040年を見据えた国家の成長の波に乗り、自身の投資目的を明確にしてエリアを選定すれば、ドバイはあなたのポートフォリオにおいて最強の資産となる可能性を秘めています。
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