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【2025】ドバイの不動産投資の「利回り」はどれくらい?わかりやすく解説

ドバイの不動産投資の「利回り」はどれくらい?わかりやすく解説

ドバイは、急激な経済成長によって世界から注目を浴びています。世界の最先端を行く「グローバル都市」に住みたいという人々が跡を絶たず、日本からも移住を願う声が高まっています。

ドバイ経済の成長と比例してドバイ不動産市場も活況を呈しており、移住=実需だけでなく不動産投資熱も高まっています。今回は、ドバイ不動産投資の利回り、注目されている理由、将来の展望などについて解説します。

目次

利回りとは

ドバイ不動産投資の利回りを説明する前に、そもそも投資において「利回り」とは何かについて解説しましょう。

投資における利回り

利回りは投資元本に対する収益の割合で、「◯◯%」というように表します。

投資にはいくつかの指標があります。指標を駆使することで、投資家は複数ある投資商品を比較したり、売買の判断を下したりすることができるのです。

指標は、市場や特定の資産のパフォーマンスを評価するための数値やデータなのですが、その基本が利回りです。

一例を挙げると、債券投資における利回りは投資家が債券を保有することで得られる収益率を示します。債券投資の収益は、クーポン(金利)と債券の償還価格(満期時の返済額)から購入価格を引いた額です。年間の収益額を債券投資額で割った数値が、債券投資における利回りとなります。

また、利回りはリスクとリターンのバランスを評価するためにも使われます。利回りが高いほど投資金額に対して大きな収益を見込めるため、利回りが低い投資商品より高い投資商品を選ぶことが一般的です。しかし、高い利回りは高いリスクを伴うことが多いため、投資家は自分のリスク許容度に応じて投資先を選びます。

不動産投資における利回り

不動産投資とは、賃貸アパートや賃貸マンションなどの収益物件を取得して、第三者に賃貸することで家賃収入を得る投資方法です。不動産投資における利回りの計算方法も上記と同様ですが、不動産投資の場合は投資元本額が物件価格に、収益額が家賃収入額となります。

不動産投資においても、利回りが指標として役立ちます。複数の収益物件から投資する物件を選ぶ場合、それぞれの物件の利回りを計算し、比較検討することができます。

不動産投資における利回りにはいくつか種類がありますが、代表的なものは「表面利回り」と「実質利回り」です。この2つの利回りについて解説します。

表面利回り

表面利回りは、物件購入価格に占める年間家賃収入の割合の数字です。「グロス利回り」とも呼ばれます。計算式は以下となります。

  • 表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100

ここでの年間家賃収入は、満室想定の家賃収入です。

表面利回りは物件のパフォーマンスを大雑把に把握し、比較検討するために使用されます。当然、算出された数値が大きいほど収益性の高い物件ということになります。

ただし表面利回りの算出にあたっては、管理のための経費や税金といったコストが省略されています。年間家賃収入も満室を想定して計算するため、現実には発生する可能性のある空室・家賃滞納が考慮されていません。

表面利回りだけを見て収益物件を購入するのは、危険と言わざるを得ません。なお、ドバイ不動産投資の場合は、支払うべき税金は発生しません。

実質利回り

実質利回りは、年間家賃収入から物件の管理費用や保険料などの経費と税金を差し引いた額を物件の購入価格で割った数字です。「ネット利回り」とも呼ばれます。

代表的な経費としては、火災保険や地震保険などの保険料、借入金の利息、管理会社へ支払う管理委託手数料、修繕費、固定資産税などの税金があります。

不動産投資に際しては、表面利回りよりも実質利回のほうがより実態に近い資金の流れとなります。実質利回りを求める計算式は次のようになります。

  • 実質利回り(%)=(年間家賃収入-経営にかかる経費)÷物件価格×100

なお、不動産投資に関連する指標は、表面利回り・実質利回り以外にもたくさんあります。

本格的に不動産投資に踏み切る際は、融資を受けて不動産投資を行う際に使用する自己資本利回り(CCR)、NOIを投資総額で割った数字である投資収益率(ROI)、時間軸を考慮して投資の収益性を測る内部収益率(IRR)などを勉強しておきましょう。

ドバイでの不動産投資の利回り

では、ドバイでの不動産投資の利回りは、どれくらいなのでしょうか?

ドバイはエリアによって利回りが異なります。また、アパートメント(マンション)かヴィラ(戸建て住宅)かによっても異なりますが、ドバイ不動産投資の利回りはおおよそ5~9%とされています。

参考までに、日本での不動産投資の利回りは、東京都心で3~4%、郊外で4~5%程度です。断定はできませんが、ドバイでの不動産投資のほうが有利と見て良いでしょう。

ドバイでの不動産投資におけるメリット

ドバイでの不動産投資におけるメリット

ドバイにおける不動産投資の魅力はどのようなところにあるのでしょうか?ドバイ不動産投資の主なメリットは次のとおりです。

  • 外国人でも不動産を購入できる
  • 税制に優位性がある
  • 今後も不動産価格の上昇が見込める
  • 今後も人口の増加が見込める
  • 「ドバイ不動産はバブル」ではない
  • 積極的に都市開発計画が行われている

外国人でも不動産を購入できる

日本では外国人でも不動産の購入が可能ですが、海外では外国人には不動産購入を認めていない国があります。特に新興国では、日本のマンションにあたるコンドミニアム(ドバイではアパートメント)の所有までは認めても、土地所有を認めない国のほうが多いほどです。

ドバイについては、世界中から富裕層やビジネスパーソンを集め、経済発展して来た経緯もあり、外国人に不動産の購入を認めています。指定されたフリーホールドゾーン内であれば、外国人でも所有権付きの不動産が購入可能です。アパートメントだけでなく、ヴィラ(戸建て住宅)、つまり土地の所有も可能です。

現地居住が条件ということもありません。非居住者も購入できます。また、リースホールドゾーン内では使用権付き(99年後返還)の不動産が購入できます。

税制に優位性がある

世界中の資産家、投資家、起業家などが熱い視線をドバイに向けている最大の理由は、ドバイのタックスヘイブン施策にあります。

ドバイ政府は世界の資産家・投資家を呼び込むため、タックスヘイブン(租税回避地)施策を採っています。つまり、法人税や所得税などの税金がまったくかからないか、きわめて税率が低くなっているのです。

不動産投資に関連する税金だけでも、キャピタルゲイン税(譲渡所得税)、固定資産税、不動産取得税、印紙税、事業税、相続税、贈与税が無税です。個人所得へ課税される所得税、住民税もありません。完全に0です。なお、法人税は2023年から9%課税されるようになりました。

不動産投資に関していえば、キャピタルゲイン税(譲渡所得税)だけでも日本と大きな差異があります。日本では、不動産の売却益に短期譲渡所得(5年以内に売却)で39.63%、長期譲渡所得(5年超で売却)で20.315%の譲渡所得税が課税されます。これがドバイでは0であるため、インパクトがいかに大きいかわかるでしょう。

今後も不動産価格の上昇が見込める

事実、ドバイ不動産は一貫して上昇し続けています。コロナ禍でいったんは沈みましたが、アフターコロナで急回復し、現在はさらに急成長しています。

ドバイの不動産情報をレポートしている「DXB Interact」によると、ドバイのアパートメント(マンション)の平均物件価格が2020年に88万6,186AED(3,544万7,440円)だったものが、2024年(9月まで)には127万9,000AED(5,116万円)にまで高騰しています。これは、オフプラン物件(プレビルド物件)、レディプラン物件(完成物件)込みの平均価格で、ドバイ全エリアの平均です。

出典:DXB Interact

この不動産価格上昇のすう勢は、まだまだ継続すると見込まれています。ドバイ不動産投資では、家賃収入のインカムゲインだけでなく、キャピタルゲインが十分見込めるのです。

今後も人口の増加が見込める

人口の拡大は、不動産投資の基礎条件といえます。人口が拡大するからこそ、住宅の供給を上回る需要が生み出されるのであり、不動産価格が上昇していくからです。

逆に、日本のように人口減少が確定している国では、不動産投資で成功することは難しいということです。将来の人口動態を読み、エリアを慎重に選ばないと、日本での不動産投資は失敗してしまいます。

ドバイは外国人を積極的に受け入れており、今後も人口増加が見込まれています。ドバイ政府の計画では、2040年までに人口を780万人にする予定です。現在の人口が377万人ですから、倍以上にする計画です。

人口の拡大によってドバイの不動産価格は上昇が見込め、キャピタルゲインを得る可能性が高まります。

ビジネスパーソンが世界中から集中するので、賃貸住宅の需要も旺盛になると予想されます。キャピタルゲインだけでなく、家賃収入というインカムゲインも狙える客観的条件が揃っていると見て取れるでしょう。

「ドバイ不動産はバブル」ではない

ここ数年のドバイの不動産価格の高騰を知っている人の中には、「ドバイ不動産はバブルだ」という意見を持っている人がいます。では、不動産・金融の専門家がドバイ不動産についてどう見ているのか確認してみます。

スイスに本社を置く世界最大級の金融グループ・UBSは、毎年世界中の都市の不動産価格について評価をする「グローバル不動産バブル指数」を発表しています。この指数の2024年版でドバイの指数は0.64とされています。同指数では、「Moderate(適度)」と判断されているので、少なくともバブルではないといえるでしょう。

同指数で東京は1.67とされており、「High」という判断を下されています。2024年段階で、東京都心部のマンション価格はまだまだ上昇を続けており、バブルなのかどうかは判断が分かれるところですが、ドバイは東京よりも適切な価格帯にあるのです。

出典:Global Real Estate Bubble Index 2024

積極的に都市開発計画が行われている

2000年代初頭まで一面砂漠だったドバイが、未来的な都市に生まれ変わったのは、ドバイ政府による継続的な都市開発計画があったからです。ドバイ政府は今後も積極的な都市開発計画を実施する予定です。

都市計画の明確な目標があるので、不動産価格が上昇し、賃貸需要の充実が見込まれます。不動産投資の基礎的条件が整備されていると判断できるのです。

ドバイでの不動産投資のデメリット

ドバイでの不動産投資のデメリット

投資にはリスクがつきものであるように、ドバイ不動産投資にもリスクはあります。ドバイ不動産投資の主なデメリットは次のとおりです。

  • 為替差損が発生する可能性がある
  • 経済危機による不動産価格の変動の可能性がある
  • デベロッパーが倒産する可能性がある
  • 法制度が変更される可能性がある
  • 日本のようにローンを組むことができない

為替差損が発生する可能性がある

ドバイの不動産を購入するということは、日本円で持っていた資産をアラブ首長国連邦ディルハムの資産に組み換えることを意味します。為替相場は毎日変動しているため、不動産取引のタイミングでは為替差損が発生することもありえます。

ちなみに、AEDはドルペッグ制を採用していて、AEDと米ドルは連動します。つまり、円安ドル高が進行するとドバイの不動産価格は相対的に高額になるため購入が難しくなり、円高ドル安が進行すると購入しやすくなる傾向にあります。

理想は円高局面で物件を購入し、円安局面で売却して円に戻すことですが、絵に描いたようにいくものではなく、為替相場ばかり気にしていると大局を見失うことにもつながりかねません。為替リスクを完全に回避することは不可能であるため、為替差損を上回るパフォーマンスを目指すようにしましょう。

経済危機による不動産価格の変動の可能性がある

リーマンショックのような世界的スケールの経済危機が発生した際、ドバイだけが危機を回避するというのは無理があります。当然影響を受け、リーマンショックの際には大打撃を受け、「ドバイショック」と呼ばれるほどでした。

経済危機の影響によって、ドバイ不動産の価格が変動する可能性は否定できません。ただし、ドバイが「ドバイショック」から立ち直ったように、経済危機が恒久的に続くストーリーは現実性がないといえます。長い時間軸の中では、価格の浮き沈みはあるかもしれませんが、ドバイ不動産のすう勢は右肩上がりといっていいでしょう。

デベロッパーが倒産する可能性がある

ドバイ不動産の開発を進めるデベロッパーが倒産するリスクがあります。倒産までいかなくとも、何らかの事情によって開発プロジェクトが中止することもありえるでしょう。

特に、オフプラン物件(プレビルド物件)に投資していた場合は、物件を入手する前に「ご破算」となるためダメージがあります。

ただし、現在のドバイではエスクロー制度というものがあり、物件の代金は直接デベロッパーに支払われずに、いったんエスクロー会社に支払われます。万が一、デベロッパーが経営破綻をした場合には、エスクロー会社から投資家に資金が戻ります。

法制度が変更される可能性がある

金融や経済の仕組みが整備されているドバイではあまり考えられませんが、不動産や資産に関する法制度が急に改変され、投資家に不利な制度になるリスクも考えられます。税制改正は考えられるため、情報のアンテナは張っておくようにしましょう。

日本のようにローンを組むことができない

日本で不動産投資をするときには、金融機関の融資を活用するのが一般的です。つまり、自己資本が少額でも他人資本を活用して、投資効率を高めるレバレッジ戦略を描けます。

しかし、ドバイではそのような手法は基本的にできません。ドバイでは住宅ローンを投資用にも活用できますが、オフプラン(計画中のもので新築物件)への適用は難しく、レディプラン(完成済みの中古物件)のみとなります。レディプランであっても頭金の差し入れを50%求められるケースもあり、自己資金を多めに用意しないと不動産投資ができません。

なお、日本国内で不動産を所有している投資家は、国内不動産を担保に国内の金融機関から融資を受け、ドバイ不動産に投資をする「上級者向けテクニック」もありますが、複雑なスキームになります。そのため、専門会社やコンサルタントに相談してから取り組むようにしましょう。

まとめ

ドバイ不動産投資は、非常に魅力的な投資です。インカムゲインでも5~9%が見込めるばかりではなく、かなりの確率でキャピタルゲインが狙えます。

一定規模の資産を所有している人には大きなチャンスといえます。為替リスクや価格変動リスクもありますが、リスクを超えるリターンが見込めるので、機会のある人はチャレンジしてみると良いでしょう。

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