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【2025】ドバイは永住権を取得できる?わかりやすく解説

ドバイは永住権を取得できる?わかりやすく解説

ドバイは、ビジネス環境の良さや節税のメリットから、世界中で移住先として人気が高まっています。移住を考えるとき、「ドバイで永住権を取得できるのか」と思う人もいるでしょう。

今回は、ドバイにおける永住権の有無と、長期間滞在するためのビザの種類、さらにゴールデンビザの特徴や取得条件を解説します。ドバイ移住のメリット・デメリットも含めてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

目次

ドバイに永住権はある?

そもそも、ドバイに永住権はあるのでしょうか?

ドバイに永住権はない

まず知っておくべき重要なポイントは、ドバイには永住権制度は存在しないという事実です。

多くの国では、永住権や市民権を取得するための制度が用意されていますが、ドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)では、外国人がこうした権利を取得することは認められていません。これは、UAE政府が国民の特権を保護するため、外国人に市民権・永住権を与えない政策を取っているためです。

ただし、長期間の滞在を可能にするビザ制度が整備されています。これにより、条件を満たせば何年もドバイに住み続けることができ、事実上の永住生活を実現することが可能です。

長期滞在ビザが利用可能

ドバイでは、ゴールデンビザをはじめとする長期滞在ビザが、永住に近い生活を実現するためのもっとも現実的な方法です。これらのビザは、特定の条件を満たすことで取得でき、期間満了後も要件を満たしていれば更新が可能です。

特に注目されているのが、5年または10年の滞在が可能なゴールデンビザです。このビザは、高額資産の所有者やドバイ政府が認める公共投資をした人、専門的なスキル保持者などに発行されるものです。更新が可能なためドバイでの長期生活が可能で、事実上の永住権として機能するものです。

ドバイで取得可能な居住ビザの種類

ドバイには、移住の目的や状況に応じて選べるさまざまな居住ビザがあります。ここでは、主要な居住ビザと特徴を解説します。

  • 就労ビザ(Working Visa)
  • リモートワークビザ(Virtual Working Visa)
  • フリーランスビザ(Freelance Visa)
  • 不動産ビザ(Property Owner Visa)
  • 家族ビザ(Family Visa)
  • ゴールデンビザ(Golden Visa)

就労ビザ(Working Visa)

就労ビザは、ドバイで就職した場合に取得できる一般的なビザです。現地の企業がスポンサーとなり、ビザの取得手続きを代行します。

企業が従業員と雇用契約を結び、政府機関へビザ申請を行います。有効期限は通常2年間で、雇用契約が続く限り更新が可能です。

安定した仕事先を得られれば、長期滞在が可能な点がメリットですが、雇用契約が終了するとビザの有効期限も切れるため、他の雇用主を見つける必要があります。

リモートワークビザ(Virtual Working Visa)

リモートワークビザは、国外企業に雇用されているリモートワーカー向けの特別なビザです。コロナ禍以降、リモートワークの需要が高まる中で設けられた制度となります。

申請者はリモートワークが可能で、一定の収入(毎月最低5,000ドル)を証明する必要があります。有効期限は1年間で更新が可能です。場所に縛られず、ドバイで快適に仕事が続けられる点が魅力です。

フリーランスビザ(Freelance Visa)

フリーランスビザは、ドバイでフリーランスとして活動するためのビザです。主に専門スキルを持つ個人向けに発行されます。

対象分野はメディアやIT、教育、デザインなどで、フリーランス活動の許可証を取得し、個人での事業を展開できます。ドバイはフリーランスの働き方を推進しており、これらの分野で活躍したい人にとって良い選択肢となっています。

不動産ビザ(Property Owner Visa)

不動産ビザは、一定額以上の不動産を購入した人向けのビザです。最低投資額は75万ディルハム(約3,000万円相当)で、資産運用や投資を兼ねて、ドバイの居住ビザを取得する人が増えています。

家族ビザ(Family Visa)

家族ビザは、ドバイで合法的に働いている人やビザ保持者が、配偶者や子どもを呼び寄せるためのビザです。家族全員が同居できるため、移住を計画する家族に適しています。

ゴールデンビザ(Golden Visa)

ゴールデンビザは、もっとも注目されている長期滞在ビザで、5年または10年の滞在が可能です。主に以下のような要件を満たす人が対象となります。

  • 資産や投資を有する個人
  • 特定分野で高い専門性を持つ人
  • 優秀な学生や研究者 など

ゴールデンビザについては、次章で詳しく解説します。

ドバイでもっとも永住権に近い「ゴールデンビザ」

ゴールデンビザは、ドバイでの長期滞在を実現するための非常に魅力的な制度であり、5年または10年の滞在が保証される特別なビザです。定期的な更新が可能なため、ドバイでの実質的な永住生活をサポートします。ゴールデンビザは、次の対象者向けに発行されます。

  • 公共投資を行う投資家
  • 不動産投資家
  • 優れた専門人材
  • 優秀な学生
  • 人道活動のリーダー
  • 緊急時に貢献する専門家

公共投資を行う投資家

ドバイ政府が推進する公共プロジェクトやインフラ開発への投資を行った人へ発行されます。

  • 具体例:病院、学校、エネルギープロジェクト、輸送インフラの整備など、地域社会の発展に寄与する事業への投資。
  • 条件:政府が定めた最低投資額を超える資金を投下し、関連する契約書や書類を提出する。

この条件を満たすことで、10年間のゴールデンビザが取得可能となります。

不動産投資家

ドバイの不動産市場は、ゴールデンビザ取得を目指す投資家にとって重要な選択肢の一つです。不動産ビザとは異なり、ゴールデンビザではより高額な投資が求められますが、その分長期的な滞在が保証されます。

  • 最低投資額:200万ディルハム(約8,000万円相当)以上の不動産購入。
  • 条件:物件はドバイ政府が認めたものであること、購入後の所有権が申請者にあること。

不動産を通じた資産形成と同時に、長期滞在の権利を得られるため、人気の高い選択肢です。

優れた専門人材

ドバイは、世界中から優れた人材を集めるため、特定の分野で傑出した成果を上げた個人をゴールデンビザの対象としています。該当する分野ごとに紹介します。

  • 医師・科学者
  • 発明家
  • 文化・芸術分野で活躍するクリエイター
  • 経営幹部
  • アスリート
  • 工学・科学分野の専門家

医師・科学者

医療や科学研究の分野で高い評価を受けた専門家が対象です。特に、国際的な研究機関や著名な医療施設での経験が重視されます。

  • 例:医療技術の発明者、新薬の開発者、先進的な研究をリードする科学者など。

発明家

特許を取得した発明家や、革新をもたらすプロジェクトに関与した人が対象です。特許や技術がドバイの産業にどのように貢献できるかが審査基準となります。

  • 例:AI技術の特許取得者、環境保護技術を開発したエンジニア。

文化・芸術分野で活躍するクリエイター

芸術や文化の分野で優れた業績を上げた人も対象です。ドバイは、文化的多様性を推進するため、この分野の人材を歓迎しています。

  • 例:国際映画祭で受賞歴のある映画監督、有名な画家、建築デザイナー。

経営幹部

企業の重要な意思決定に関与する経営幹部やマネージャーも対象となります。

  • 条件:大規模な企業の執行役員やプロジェクトリーダーであることを証明する書類が必要。

アスリート

スポーツの分野で国際的な実績を持つ個人が該当します。特に、世界大会での優勝や記録保持者などが対象です。

  • 例:オリンピックメダリスト、プロサッカー選手。

工学・科学分野の専門家

技術革新や先進的な研究に携わるエンジニアや科学者が対象です。特に、宇宙開発、再生可能エネルギー、AI技術などが注目されています。

  • 例:AIエンジニア、クリーンエネルギー技術者。

優秀な学生

ドバイでは、学業での優秀さを示した学生にもゴールデンビザを発行しています。

  • 対象者:学業成績が非常に優秀である学生。特に、国際的な試験での高得点や、学術的な賞を受賞した学生。
  • 条件:大学や学校からの推薦状や成績証明書が必要。

ドバイの大学や教育機関に進学したい学生にとって、このビザは大きな魅力となります。

人道活動のリーダー

社会貢献や人道活動でのリーダーシップを発揮した個人が対象です。

  • 条件:活動内容が国際的な認知を受けていること。
  • 例:国連機関やNGOでの活動、災害救助や難民支援のプロジェクトリーダー。

こうした人道活動の貢献が、ドバイ政府から高く評価されています。

緊急時に貢献する専門家

災害や医療緊急時において特別な役割を果たした専門家もゴールデンビザの対象となります。

  • 例:パンデミック時の医療対応、地震や洪水など自然災害における救援活動。

このカテゴリーは、国際的な問題解決に貢献する専門家を広く対象としています。

ドバイ移住の主なメリット

ドバイはその魅力的なライフスタイルや経済環境から、世界中の人々に移住先として選ばれています。ドバイ移住の主なメリットには次のものがあります。

  • 大幅な節税が可能
  • 治安が良い
  • ビジネスチャンスに恵まれる

大幅な節税が可能

ドバイ移住の最大のメリットの一つが、大幅な節税効果です。ドバイには所得税が課されないため、収入をほぼ全額手元に残すことができます。この点は、高額所得者や経営者にとって非常に魅力的です。

日本では課税所得が4,000万円を超えると、45%の所得税と10%の住民がかかり、特別復興所得税を加えると最高税率は55.945%にまで膨れ上がります。実に稼ぎの半分以上を国に取られてしまう計算です。

ドバイではこうした税金の支払いが不要です。資産運用に関する税金もないため、節税を目的とした移住には理想的な場所といえます。貯蓄や投資に多くの資金を回せるため、生活の選択肢が大きく広がります。

治安が良い

ドバイは、世界でもトップクラスの治安の良さを誇る都市です。犯罪率が非常に低く、夜間に女性が一人で出歩いても安心できる環境が整っています。これは、厳格な法律の施行と監視カメラなどの先進的な安全システムが機能しているためです。

外国人移住者の比率が高いにもかかわらず、多文化共存がスムーズに進んでおり、地域社会におけるトラブルも少ない点も魅力です。家族連れで移住を検討している人にとって、治安の良さは大きな安心材料となるでしょう。

ビジネスチャンスに恵まれる

ドバイは「中東のビジネス・ハブ都市」と呼ばれるほど、経済活動の中心地としての役割を果たしています。地理的にもアジア、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ交差点に位置しており、国際的なビジネス展開がしやすい環境が整っています。

多国籍企業の拠点が数多く存在し、スタートアップ企業への支援や投資も盛んです。特にテクノロジー、観光、不動産、物流といった分野での成長が目覚ましく、新しいビジネスチャンスが次々と生まれています。

ドバイ移住の主なデメリット

一方で、ドバイ移住にはいくつかのデメリットも存在します。代表的なものには次のものがあります。

  • 夏は非常に暑い
  • 物価が日本より高い
  • イスラム文化・規制に対する理解が必要

夏は非常に暑い

ドバイの夏季は、気温が50度近くに達する過酷な環境です。特に6月から8月にかけては屋外での活動が制限されることが多く、日中に外出するのは避けるのが一般的です。この時期には、多くの住民がショッピングモールや自宅のエアコンに頼りながら過ごします。

厳しい暑さに慣れていない移住者にとっては、生活の質に影響を与えることもあります。移住を計画する際は、この気候条件を十分に考慮し、暑さ対策を事前に講じておきましょう。

物価が日本より高い

ドバイは世界的に見ても生活費が高い都市の一つです。住居費や輸入品の価格が高額である点は移住者にとって大きな負担となります。

中心部のアパートメント(マンション)やヴィラ(戸建て住宅)の家賃は、日本の主要都市の相場を上回ります。食料品や日用品も輸入品が多いため、物価は上昇傾向にあります。生活コストを抑えるためには、住宅地の選択や地元の市場を活用するなど、工夫が必要です。

イスラム文化・規制に対する理解が必要

ドバイは非常に国際的な都市ですが、イスラム教を基盤とした文化や規制が日常生活に影響を及ぼします。特に飲酒や服装、公共での振る舞いについては他国よりも厳格なルールが適用されます。

公共の場での飲酒や喫煙、肌を露出しすぎた服装は制限されており、これを知らずに違反してしまうと罰金や拘束の対象となります。さらに、ラマダン(イスラム教の断食月)期間中には、日中に公共の場で飲食をしないよう注意が必要です。

こうした文化的背景を尊重し、事前に十分な知識を持つことが、快適な移住生活を送る鍵となります。

不動産購入によるゴールデンビザ申請コスト

不動産を通じてゴールデンビザを申請する場合、不動産の物件価格以外にもこまごまとした申請コストがかかります。

登録料として10数万AED、エミレーツID発行手数料として数千AED、健康診断費用、健康保険費、書類の翻訳や認証などがかかってきます。追加費用を念頭に入れて、余裕を持った資金計画が求められます。

まとめ

ドバイには永住権制度はありませんが、ゴールデンビザなどを活用することで実質的な永住生活が可能です。ゴールデンビザ以外にも居住ビザはありますので、移住を計画する際には各種ビザの条件をよく確認し、自分のライフスタイルに適合したビザを選びましょう。

ドバイへの移住には、大きなメリットといくつかのデメリットが存在します。移住を検討する際は、これらの要素を総合的に考慮して、自分に合った選択をすることが重要です。

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