ドバイは、日本人にとって魅力的な移住先の一つです。経済成長が著しく、税制の優遇措置や治安の良さなど、多くの利点があります。
しかし、ドバイには独自のルールや生活習慣があり、移住を成功させるためには事前の準備と正しい知識が欠かせません。今回は、ドバイに住む日本人の現状、ドバイ生活のメリット、注意するポイントについて解説します。
ドバイにおける日本人の生活
ドバイには、多くの日本人が仕事やビジネス、学業を目的に移住しています。急速に発展する経済や国際色豊かな環境が、多くの日本人を魅了しています。ドバイは中東のビジネスハブとしての地位を確立しており、多国籍企業が集まることから、キャリアアップを目指す日本人にとっても魅力的な都市です。
ドバイに住む日本人の人口
ドバイに住む日本人の人口は、2024年10月1日現在で3,771人と報告されています(※)。日本人の移住者数は、2000年代以降のアラブ首長国連邦(UAE)の経済発展とともに増加傾向にあります。近年は企業の駐在員だけでなく、起業家や投資家として移住するケースも増えており、多様なライフスタイルが広がっています。
日本人がドバイに移住する理由はさまざまですが、主にビジネスの拠点としての魅力、税制の優遇措置が挙げられます。そのため、ビジネス目的での移住が大半を占めます。
※出典:在ドバイ日本国総領事館
日本人が多く住むエリア
ドバイには、日本人が多く住むエリアがいくつかあります。ドバイは広大な都市であり、エリアごとに異なる特色があります。生活スタイルや予算に応じて住むエリアを選べるのも、ドバイの魅力の一つです。ここでは、日本人に人気のある代表的なエリアを紹介します。
ドバイ・マリーナ

ドバイ・マリーナは、高級マンションが立ち並ぶエリアで、日本人駐在員にも人気があります。海に近く、洗練された都市生活を楽しめる環境が整っています。マリーナウォークには、カフェやレストランが立ち並び、休日には多くの人でにぎわいます。
ビーチが近いため、マリンスポーツを楽しむこともできます。周辺にはショッピングモールやスーパーマーケットも充実しており、利便性の高い立地です。メトロやトラムも通っており、交通アクセスも良好なため、車を持たなくても生活できるエリアです。
ダウンタウン・ドバイ
ダウンタウン・ドバイは、ブルジュ・ハリファ周辺のエリアで、都市型ライフを求める人に適しています。商業施設やオフィスが多く、生活の利便性という点では申し分ない立地です。世界最大のショッピングモール「ドバイ・モール」があり、買い物やエンターテインメント施設が充実しています。
ファイブスターホテルや高級レストランが立ち並び、ラグジュアリーな生活も楽しめます。海外の一流企業が集まるエリアであるため、ビジネスの場としても重要な役割を果たしています。
アル・ワスル
アル・ワスルは、落ち着いた住宅街で、日本人ファミリーが多く住んでいます。子育てに適した環境であり、教育機関も充実しているため、家族連れに人気があります。日本人学校やインターナショナルスクールが近くにあるため、日本人の子どもを持つ家庭にとって魅力的なエリアです。
公園や緑が多く、ドバイの中でも比較的静かな環境が広がっています。ショッピングモールやレストランも近くにあり、家族での生活がしやすいのが特徴です。
日本人向けの施設・サービス
ドバイには、日本人向けの施設やサービスも充実しています。日本の食品や生活用品を扱う店もあり、異国の地でも日本の生活スタイルを維持できます。
日本食材を扱うスーパーでは、米や味噌、醤油といった基本的な調味料のほか、冷凍の魚や肉なども手に入ります。「1004グルメ」や「グランド・ハイパーマーケット」では、日本からの輸入食品が豊富に揃っており、多くの日本人が利用しています。
日本食レストランも数多く存在し、本格的な和食を楽しめます。寿司店や焼き鳥店、和牛専門店など、日本の味を忠実に再現したレストランが人気です。日本のパン屋やカフェも増えており、日本の味が恋しくなった時に気軽に訪れることができます。
日本語対応の病院や美容サロンもあり、言葉の壁を気にせずにサービスを受けられるのも安心です。ドバイには、日本人医師が在籍するクリニックもあり、健康管理に不安を感じる人にとって心強い存在となっています。
ドバイの日本人コミュニティ
ドバイには、日本人同士が交流できるコミュニティが存在します。
日本人会や交流イベント
ドバイには、日本人会があり、定期的に交流イベントや生活サポートを提供しています。ビジネスネットワーキングの場としても活用されており、JETROが主催するビジネスカンファレンスなども開催されています。新しく移住した人にとっては、情報収集の場としても有益です。
SNS・オンラインコミュニティの活用
近年では、SNSを活用した日本人コミュニティも活発になっています。Facebookグループ「ドバイ日本人コミュニティ」やLINEオープンチャットでは、現地の生活情報や仕事の機会、イベント情報などが共有されています。リアルタイムで情報を得られるため、多くの日本人が利用しています。
スポーツクラブ・文化交流団体
スポーツや文化活動を通じて交流する場もあります。例えば、サッカークラブ「ドバイ・ブルー」では、日本人を中心としたチームが活動しており、定期的な練習や試合を行っています。また、日本の伝統文化を紹介する文化交流イベントも開催されており、日本の茶道や書道を体験できる機会もあります。
ドバイに住む日本人の属性
ドバイには、さまざまなバックグラウンドを持つ日本人が移住しています。
駐在員
日本企業のドバイ支社に派遣されるビジネスパーソンの多くは、商社、メーカー、金融、不動産業界で働いています。特に建築・インフラ関連の大規模プロジェクトでは、日本の建築企業が関わることも多く、駐在員の活躍が目立っています。
専門職
医師、弁護士、エンジニアなどの専門職の日本人もドバイで活躍しています。国際資格を持つ医師や弁護士は、現地の医療機関や法律事務所で勤務することが可能です。
経営者
ドバイで会社を経営する日本人も増えています。飲食業、ITビジネス、不動産関連など多様な分野で活躍しており、フリーゾーン制度を活用して法人設立をするケースが多く見られます。
サービス業従事者
和食レストラン、美容サロン、ツアーガイドなどのサービス業に従事する日本人も存在します。日本の文化や技術を活かしたサービスが、現地の人々にも人気です。
投資家
ドバイの不動産市場の成長を背景に、不動産投資を目的とした移住者も増えています。また、ドバイは暗号資産に対してフレンドリーな政策をとっており、暗号資産投資で成功した日本人が移住するケースも見られます。
リモートワーカー
近年、ドバイはリモートワーカー向けのビザ制度を導入し、世界中からフリーランスやリモートワーカーが集まる都市となっています。異文化に触れながら働ける環境が整っています。
ドバイの生活で日本人が得られるメリット
ドバイは、日本人にとって多くの魅力を備えた都市です。税制の優遇や治安の良さ、多国籍な環境など、他の国では得られない利点が数多くあります。ここでは、日本人がドバイで享受できる具体的なメリットについて解説します。
- 圧倒的な節税
- 治安の良い快適な生活環境
- ビジネスチャンス
- 多様な文化・価値観との交流
圧倒的な節税
ドバイの大きな魅力の一つが、税金面での優遇です。日本では、現役世代の税金や社会保険料負担が問題となり、手取り収入を増やすことが課題となっていますが、ドバイでは個人の所得税が一切かかりません。給与の全額を手取りとして受け取れ、同じ仕事をしていても日本よりも可処分所得が増える可能性があります。
ドバイではキャピタルゲイン税や固定資産税も課税されません。不動産投資や株式投資を行う人にとって、税金による資産の減少を防止できます。多くの富裕層・資産家がドバイを拠点にするのは、この税制が大きな理由の一つです。
これまでゼロだった法人税は、2023年6月に導入され、9%の税率が適用されました。しかし、年間利益が375,000AED(約1,500万円)以下の中小企業には非課税措置が設けられており、一定の条件を満たせば税負担を回避できます。
治安の良い快適な生活環境
ドバイは世界でもトップクラスの治安の良さを誇ります。犯罪発生率が非常に低く、外国人がターゲットになる犯罪はほとんど発生していません。これは、UAE政府が厳格な法律を施行していることに加え、警察の監視体制が非常に整っているためです。市内の至る所に監視カメラが設置されており、警察のパトロールも頻繁に行われています。
加えて、ドバイは交通インフラが整っており、移動の利便性にも優れています。メトロ、バス、トラムなどの公共交通機関が充実しており、タクシーの料金も比較的リーズナブルです。
ビジネスチャンス
ドバイは中東のビジネスハブとして、多くの多国籍企業が進出しています。そのため、日本人にとってもキャリアアップの機会を得られます。商社、金融、テクノロジー、不動産などの業界では、日系企業の支社も多く、現地採用として働く日本人も増えています。
ドバイは起業支援が充実していることでも知られています。政府はスタートアップの育成に力を入れており、フリーゾーンを活用すれば、ビザの取得や法人設立がスムーズに行えます。こうした制度を活用し、日本からの進出を目指す企業や個人事業主も多く、IT分野や金融業界、コンサルティング業界での起業が増えています。
多様な文化・価値観との交流
ドバイには、世界中からさまざまな国籍の人々が集まっています。200以上の国籍の人々が共存しており、異なる文化や価値観に触れる機会が豊富にあります。日本ではなかなか出会えないような人々と交流でき、新たな視点を得たり、異文化理解を深められたりします。
ドバイの生活で日本人が気をつけるべきポイント
ドバイでの生活には多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。日本とは異なる文化やルールに適応する必要があり、移住前にしっかりと準備をすることが求められます。
- 住宅費はじめ生活コストが高い
- イスラム教への配慮が必要になる
- 医療制度・保険制度は日本と異なる
- 砂漠気候で気温が非常に高い
住宅費はじめ生活コストが高い
エリアや物件によって異なりますが、ドバイの家賃は一般的に東京よりも高額です。日本人に人気のあるドバイ・マリーナやダウンタウン・ドバイの高級マンションは、家賃が高騰する傾向にあります。家具付きの物件も多いため、初期費用は抑えられるものの、年間契約が主流で一括払いを求められます。
外食費や輸入食品の価格も日本より高めに設定されているため、日常生活のコストは全体的に高くなる傾向があります。移住を検討する際は、予算計画をしっかりと立てる必要があります。
イスラム教への配慮が必要になる
ドバイはイスラム教の国であり、イスラムの文化やルールに従うことが求められます。公共の場でのアルコールの摂取は禁止されており、許可されたバーやレストランでのみ飲酒が可能です。服装に関しても、女性は露出の多い服装を避けるなど、一定の配慮が求められます。
ラマダン(断食)の期間中は、日中の飲食が公共の場ではできません。日本とは異なる宗教的習慣にあり、イスラム教の文化に対する理解が求められます。
医療制度・保険制度は日本と異なる
ドバイの医療制度は、日本とは大きく異なります。医療費が高額になるため、保険への加入が必須となります。ドバイの医療保険は基本的に民間のものが中心で、雇用主が保険を提供する場合もあれば、個人で加入しなければならないケースもあります。
日本語で安心して医療サービスを受けるために、日本語対応可能な医療機関を事前に調べておくといいでしょう。
砂漠気候で気温が非常に高い
ドバイは砂漠気候であり、特に夏場は気温が50度近くまで上がります。湿度も高く、屋外での活動が制限されるため、生活スタイルを工夫する必要があります。さらに、砂嵐が発生することもあり、健康管理にも気を配る必要があります。
まとめ
ドバイは、多くの日本人が暮らし、日本人コミュニティも充実しているため、海外移住が初めての人でも安心して生活できる環境が整っています。ビジネスチャンス、税制の優遇や治安の良さ、多国籍な環境など多くのメリットがある一方、生活費の高さやイスラム文化への適応など、注意すべき点もあります。
ドバイ移住を成功させるには、事前に情報を収集し、自分に合ったライフスタイルの設計が大切です。ドバイでの生活を楽しむために、しっかりと準備を整えましょう。