ドバイは経済成長が著しく、多国籍な環境が広がる魅力的な都市です。近未来的な都市景観と充実したインフラが整備されており、世界中から多くの人々が移住しています。税制のメリットや治安の良さが評価され、住みやすい都市として知られています。
その一方で、高温の砂漠気候や物価の高さなど、生活するうえでの課題もあります。今回は、ドバイの住みやすさと住みにくさの両面を詳しく解説し、快適に暮らすためのポイントについて解説します。
ドバイが住みやすいと言われる理由
ドバイは、世界的に見ても生活環境が整った国際都市です。多国籍な人々が集まるこの都市は、経済的なメリットや安全性、便利なインフラなど、多くの要素が揃っているため、移住者にとって非常に魅力的な都市とされています。ここでは、ドバイの住みやすさを支える主要なポイントについて解説します。
- 税制上のメリットがあるから
- 治安が良いから
- 英語でコミュニケーションがとれるから
- 交通機関が発達しているから
- 居住ビザを取得しやすいから
- 海外旅行へ行きやすいから
- 日本人でも起業しやすいから
税制上のメリットがあるから
ドバイの最大の魅力の一つが、税制の優遇措置です。
ドバイでは、個人所得税が一切課されません。住民税という概念もありません。給与や役員報酬、ボーナス、フリーランサーの収入などを基本的にすべて手取りにできます。さらに、キャピタルゲイン税(譲渡所得税)、固定資産税などもなく、相続税・贈与税もありません。
日本や欧米諸国のように高い所得税が課せられる国と比較すると、大きな節税効果があります。高所得者・富裕層にとっては非常に有利な環境となっています。
ドバイは、個人だけでなく企業にとっても、非常に有利な税制になっています。法人税は2023年6月から9%に設定されましたが、それでも世界的に見れば比較的低い税率です。さらに、法人所得が300万ディルハム(約1億2,000万円)以下の中小法人の場合は、法人税が免除されます。
治安が良いから
ドバイは、世界的に見ても治安が非常に良い都市の一つです。その理由として、政府の厳格な法律、監視システムの充実、そして社会全体の安全意識の高さが挙げられます。
ドバイでは、法律が非常に厳しく、違反者には厳罰が科されます。盗難や暴力犯罪に対して厳しい処罰があるため、市民や観光客は安心して生活できます。公共の場での暴力行為、ドラッグの使用などは即座に逮捕される可能性があり、一般市民もルールを守る意識を強く持っています。
また、ドバイでは警察の巡回が頻繁に行われており、特に観光エリアや公共交通機関などでの警備が徹底されています。街中には多くの監視カメラが設置されており、犯罪が発生した場合でも迅速に対応できる体制が整っています。
英語でコミュニケーションがとれるから
ドバイの公用語はアラビア語ですが、実際には英語が広く使われているため、英語が話せれば問題なく生活できます。これは、外国人が多く移住する理由の一つとなっています。
ドバイには世界中からビジネスパーソンが集まるため、ビジネスの場では英語が主に使用されます。 ビジネスの場では英語が標準で使われるため、アラビア語ができなくても問題ありません。
スーパーマーケットやレストラン、ショッピングモール、病院などほとんどの公共施設では英語が通じます。タクシーの運転手やホテルのスタッフなども基本的に英語を話せるため、日常生活においてアラビア語を話せなくても困ることはほとんどありません。
交通機関が発達しているから
ドバイは一貫して、都市インフラの整備に力を入れており、公共交通機関が発達した都市として有名です。
ドバイメトロは、市内の主要エリアをカバーしており、通勤や観光の足として利用しやすい交通手段です。メトロの車両は最新の設備を備えており、清潔で快適に利用できます。運行時間も正確で、渋滞の影響を受けにくいため、スムーズな移動が可能です。
ドバイトラムは路面電車ですが、ドバイ・マリーナやジュメイラ・ビーチ・レジデンス(JBR)といった人気のエリアを結んでおり、観光客や居住者にとって便利な移動手段です。バスも市内全域をカバーしており、主要なショッピングモールや住宅街、ビジネスエリアを結ぶルートが整備されています。バスの運賃は比較的安価であり、手軽に利用できるのが特徴です。
タクシーも非常に利用しやすく、料金もリーズナブルであり、短距離の移動でも気軽に使用できます。また、UberやCareem(中東のライドシェアサービス)などの配車アプリも普及しており、スマートフォンさえあれば簡単に利用できます。
居住ビザを取得しやすいから
ドバイは移住者向けのビザ制度が充実しており、いくつかの方法で居住ビザ取得が可能です。
もっとも魅力的な居住ビザが「ゴールデンビザ」です。ゴールデンビザは、特定の要件を満たす外国人に対して長期滞在を許可する制度で、5年間または10年間の居住権が与えられます。ゴールデンビザは、次の対象者向けに発行されます。
- 公共投資を行う投資家
- 優れた専門的人材
- 不動産投資家
- 優秀な学生
- 人道活動のリーダー
- 緊急時に貢献する専門家
ゴールデンビザを取得すれば、家族とともに長期間ドバイに居住できるため、移住者はビジネスに集中でき、安心して家族と暮らせます。
不動産投資を通じて居住ビザを取得する「不動産ビザ」があります。同ビザは有効期間3年で、更新が可能なため、長期間ドバイで暮らすことができます。
不動産ビザを取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 最低購入額:75万AED(約3,000万円)以上の物件を購入すること。
- 物件の種類:フリーホールド物件であること(所有権が認められたエリア内)。
企業経営者やフリーランス向けのビザ制度も整備されています。ドバイでは、フリーゾーンで法人を設立することで「法人設立ビザ」を取得できるほか、リモートワーカー向けの「リモートワークビザ」も導入されています。このような柔軟なビザ制度により、多様なバックグラウンドを持つ人々が移住しやすくなっています。
このようにドバイは居住ビザを取得しやすい環境が整っており、長期的に住みたい人々にとって大きなメリットがあります。投資家や専門職の人々にとっては、安定した滞在資格を得るための選択肢が多く、将来の生活設計がしやすくなっているのです。
海外旅行へ行きやすいから
ドバイは地理的にヨーロッパやアジア、アフリカの交差点に位置しており、世界各国へのアクセスが非常に良い都市です。ドバイ国際空港(DXB)は、世界でも有数のハブ空港として知られており、多くの国際線が就航しています。そのため、短時間でさまざまな国へ旅行できます。
ドバイの航空会社・エミレーツ航空は世界各地への直行便を運航しており、利便性が高いことが特徴です。ドバイからロンドンまでは約7時間、東京へは約10時間でアクセスできるため、欧州やアジアへの旅行が容易にできます。近隣の中東諸国やアフリカ諸国は、さらに短時間で行けるため、ビジネスや観光の拠点としても最適な立地となっています。
ドバイにはもう一つの国際空港「ドバイ・ワールド・セントラル空港(DWC)」があり、今後さらに国際便の拡大が予定されています。
日本人でも起業しやすいから
ドバイでは外国人でも起業しやすい環境が整っており、日本人にとっても大きなチャンスがあります。「フリーゾーン」と呼ばれる経済特区では、100%外資の企業を設立できるため、多くの外国人がビジネスを展開しています。
フリーゾーンでの起業は、税制面でも大きなメリットがあります。法人税が低く、外貨の持ち出し制限がないため、ビジネスの自由度が高いことが特徴です。
また、ドバイは世界中のビジネスパーソンが集まる国際都市であり、ネットワーキングの機会が豊富です。さまざまな国籍の企業と取引できる環境が整っているため、日本のビジネスを海外に広げたい人にとっても最適な拠点です。
ドバイの住みづらい点とその対策
ドバイは住みやすく、魅力にあふれた都市ではありますが、一方で生活するうえでの課題も存在します。物価の高さや気候の厳しさ、文化の違いなどは、日本人移住者が直面する問題です。しかし、それぞれの課題に対策を講じることで、快適な生活は可能です。ここでは、住みにくいと感じる点とその対策について解説します。
- 日本に比べると物価が高い
- 砂漠気候でとても暑い
- 医療費が高い
- イスラム教の文化に配慮する必要がある
- 低額の娯楽施設が少ない
日本に比べると物価が高い
ドバイの物価は日本と比べると高く、生活コストがかかります。
家賃に関しては、ダウンタウン・ドバイやドバイ・マリーナなどの人気エリアでは、スタジオタイプ(ワンルーム)の賃貸物件でも月額15万円~20万円以上が一般的です。しかし、郊外のエリアを選ぶことで、家賃の抑制は可能です。ドバイ・サウスやインターナショナル・シティなどは比較的リーズナブルな家賃で住めるエリアとして知られています。
食費についても、外食を頻繁にすると大きな出費になります。高級レストランでは、日本の一流店と同等かそれ以上の料金がかかります。ローカルのスーパーで食材を購入して、自炊することをおすすめします。カルフールやルル・ハイパーマーケットなどの大型スーパーでは、お得な食材が手に入ります。
また、インド料理や中華料理のローカルレストランを利用すると、比較的リーズナブルな価格で食事を楽しめます。
砂漠気候でとても暑い

ドバイの夏は非常に暑く、気温が50度を超える日もあります。6月から9月にかけての時期は、屋外での活動が制限されるほどの高温になります。しかし、生活スタイルを工夫することで快適に過ごすことができます。
日中の外出を避け、朝や夜の比較的涼しい時間帯に活動するようにします。屋外でのスポーツや散歩をする場合は、早朝や夜間を選ぶと熱中症のリスクを軽減できるでしょう。
また、ドバイの建物はすべて冷房設備が整っており、ショッピングモールやオフィスビル、公共交通機関の車両内も快適な温度に保たれています。自然と屋内での活動が中心となるライフスタイルになりますので、暑さを感じずに過ごせます。
服装についても、暑さ対策が必要です。通気性の良いリネンやコットン素材の服を着用し、日差しを防ぐために帽子やサングラスを活用すると良いでしょう。水分補給をこまめに行い、熱中症のリスクを避けるように心がけます。
医療費が高い
ドバイの医療水準は非常に高く、世界クラスの病院やクリニックが多数あります。しかし、公的医療制度が整備されていないため、医療費は非常に高額です。そのため、移住者は民間医療保険の加入が不可欠です。
多くの企業では、従業員に対して医療保険を提供しています。そのため、雇用契約を結ぶ際には、保険の適用範囲やカバーされる医療サービスについて事前に確認するようにします。フリーランスや起業家としてドバイに住む場合は、自分で保険に加入する必要があります。
医療費を抑えるには、政府が運営する公立病院を利用することも一つの方法です。私立病院と比べると費用が安く抑えられるため、基本的な診察や治療を受ける場合には選択肢の一つとなります。
日常的な健康管理をしっかり行い、病気やケガのリスクを減らすのが大原則です。
イスラム教の文化に配慮する必要がある
ドバイはイスラム教の国であるため、宗教的なルールを理解し、配慮することが求められます。ラマダン(イスラム教の断食月)の期間中は、公共の場での飲食や喫煙が禁止されるため、外国人でもルールを守る必要があります。
しかし、外国人が多く住むエリアでは比較的自由な環境が保たれており、特にホテルや外国人向けのエリアでは通常通りの生活が可能です。ラマダン中も特定のレストランやホテル内の飲食スペースは営業しているため、事前に情報を確認すれば問題なく食事できます。
服装に関しても、過度な露出を避けるのが基本です。モスクや政府機関を訪れる際には、肌を隠す服装が求められるため、TPOに応じた服装選びが必要です。ただし、ショッピングモールや観光地では比較的自由な服装が許容されているため、日常生活ではそこまで厳しく意識する必要はありません。
低額の娯楽施設が少ない

ドバイには多くの娯楽施設がありますが、料金が高めに設定されているものが多くあります。テーマパークや高級レストラン、ナイトクラブなどのエンターテイメント施設は、一般的な日本の価格よりも高額です。
日本の居酒屋やカラオケ、ゲームセンターのような、低価格で楽しめる娯楽施設はありません。しかし、ドバイには美しいビーチが数多くあり、ほとんどが無料で利用できます。公園やウォーキングトレイルもきれいに整備されており、アウトドアアクティビティを楽しめます。
無料で楽しめるアトラクションも多くあります。世界最大の噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」もそうです。ドバイ・ファウンテンは、世界一の高層タワーであるブルジュ・ハリファの足元にあるブルジュ湖を舞台に、毎日昼間3回と夕方18時から23時まで30分毎に開催されます。こんなショーが無料で見られるのですから、なんとも贅沢な話です。
このようなイベントを上手に利用すれば、コストを抑えながら娯楽を楽しむ生活が可能なのです。
まとめ
ドバイは、税制の優遇、治安の良さ、英語環境の整備など、移住者にとって住みやすさがあふれる魅力的な国際都市です。生活費の高さ、厳しい気候、高額な医療費、文化的な違いなど考慮すべき点もありますが、適切な対策を講じれば、快適なドバイ生活は十分に可能でしょう。
ドバイでの生活をお考えの方は、この記事の情報を参考に、移住準備を始めていただければ幸いです。