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【2025】ドバイは「税金なし」の楽園?メリット・デメリットを解説

ドバイは「税金なし」の楽園?メリット・デメリットを解説

ドバイは「税金なしの楽園」として、世界中の富裕層や経営者から注目を集めています。個人所得税がゼロであることから、高額所得者や企業経営者にとって魅力的な移住先となっています。

しかし、ドバイには優遇税制というメリットがある一方で、生活コストが高いなどのデメリットもあります。

今回は、ドバイ税制の仕組みを解説するとともに、移住のメリット・デメリットを解説します。移住のポイントをふまえ、ドバイが本当に自分にとって最適な選択肢なのかを判断する助けとなれば幸いです。

目次

ドバイは本当に「税金なし」の国なのか?

ドバイは税金のないタックスヘイブンとして語られますが、実際にはどのような税収の仕組みになっているのでしょうか?本当に税金がゼロならば、公共サービスが成立しません。すべての税金がゼロというわけではないので、ドバイ税制の仕組みを簡単に解説します。

ドバイの税制の基本概要

ドバイの税制は、個人に対しては非常に優遇されているものの、企業活動や消費活動には一定の課税が行われています。所得税や相続税がゼロである一方で、法人税や付加価値税(VAT)が存在します。

所得税・住民税は無税

ドバイの最大の魅力の一つは、個人の所得税が一切かからないことです。給与所得や不動産所得(家賃収入)などのインカムについてはすべて非課税です。

日本をはじめ多くの国では、所得税に累進課税制度が採用されており、高所得者ほど高い税率が適用されます。日本の所得税の最高税率は45%で、これに住民税・復興特別所得税が加算されますので、最高55.945%になります。

また、ドバイでは不動産、株式などの売却益(キャピタルゲイン)に課税される譲渡所得税もありません。なお、「住民税」という税制度は日本独自のものなので、ドバイにはその概念すらありません。

法人税は9%

ドバイでは法人税も無税でしたが、2023年から9%の課税が開始されました。それでも、日本の法人税(23.2%)やアメリカの法人税(21%)と比べると低い水準です。しかも、すべての企業に適用されるわけではなく、年間の課税所得が一定額以下の法人や、フリーゾーン(経済特区)内で特定の業務を行う企業は免税対象となる場合もあります。

国際企業にとってはこの低税率が大きな魅力となり、多くの企業がドバイに進出する理由の一つとなっています。

相続税・贈与税も無税

ドバイでは、相続税や贈与税がありません。日本の相続税は累進課税制度となっており、最高税率55%である点を考えると、ドバイの相続制度は資産家が富を次世代に承継する上で、極めて大きなメリットとなります。

ただし、日本人がドバイの相続制度を適用しようとしても、日本の相続税法が適用されるため、高いハードルがある点には注意が必要です。日本の相続税法では、被相続人(財産を残す人)、相続人(財産を受け継ぐ人)がともに「日本の非居住者」になる必要があり、かつ、10年以上ドバイに在住する必要があります。

ドバイは無税なのになぜ運営できるのか

ドバイには所得税や相続税はありませんが、それでも政府は安定した財政基盤を維持しています。その理由は、間接税やその他の収益源があるためです。

一つは関税です。輸入品には関税が課されており、外国製品を購入する際には「見えない税金」として消費者に負担がかかります。観光税や宿泊税も導入されています。ホテル宿泊時には追加料金として徴収される仕組みです。

2018年には付加価値税(VAT)が導入され、現在は5%の税率が適用されています。これは、日本の消費税に相当するものですが、一部の商品(アルコールやタバコなど)には高い税率が課せられます。

ドバイでは直接税をほとんど徴収しない代わりに、間接税によって税収を確保し、政府の歳入をまかなっているのです。

ドバイに税金がない理由

ドバイが「税金なしの都市」として成り立っているのには、明確な戦略があります。その背景には、石油依存からの脱却、海外からの投資誘致、そしてビジネスハブとしての発展が関係しています。

石油依存からの脱却

かつてのドバイ経済は石油に依存している面がありましたが、石油資源の有限性を考慮したドバイ政府は経済の多角化を積極的に推進してきました。第7代首長のラシード・ビン・サイードのもと、ドバイを湾岸随一の商業・ビジネス都市にするための大規模プロジェクトが実施されます。

アジア・ヨーロッパ・アフリカの中継地点に存在する地の利を活かして、物流拠点を形成し、世界最大級の貿易都市になりました。さらに、観光業、金融業、不動産業、IT分野にも力を入れ、現在ではGDPの大部分が石油以外の産業から生み出されています。

中でも観光業の成長は著しく、ドバイには年間数千万人の観光客が訪れています。世界一高い建造物であるブルジュ・ハリファや、高級ホテル、テーマパークなどの観光施設が整備され、観光収入が税収の大きな柱となっています。

世界中から投資を呼び込む仕組み

ドバイがビジネス都市を形成するために採用した戦略が、タックスヘイブン施策でした。所得税ゼロ・法人税ゼロ(当初)の税制優遇策が、世界中の企業や富裕層を惹きつけました。

フリーゾーンと呼ばれる経済特区では、外資100%の企業設立が可能であったため、多くの外国企業が進出することになりました。

ビジネスハブ都市としての挑戦

ドバイは、ビジネスの中心地としての地位をさらに確立するための取り組みを進めています。ドバイの都市開発計画である「ドバイ・都市マスタープラン 2040」では、以下の目標を掲げています。

  • 780万人への人口増加
  • 既存とあわせ5つの都市中心部の建設
  • メトロ&トラムによる交通システムの充実
  • 商業活動のための土地面積は168平方キロメートルに増加
  • 公共ビーチの長さを400%増加

ドバイ政府の取り組みが功を奏し、ドバイは中東のみならず世界的なビジネスハブとしてのプレゼンスを高めています。森記念財団都市戦略研究所が毎年発表している「世界の都市総合カランキング」の2024年版において、ドバイは8位にランクインされました。これは、世界の主要都市の総合力を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で複眼的に評価し、順位付けしているものです。

出典:世界の都市総合カランキング

税制以外のドバイ移住のメリット

ドバイの魅力は税制だけではありません。経済発展が進んだ都市として、住環境や治安、ビジネス環境の充実度など、多くの点で高い評価を受けています。ここでは、税制以外のドバイ移住のメリットについて解説します。

  • 近未来的な都市で生活できる
  • 治安が良く、安心して暮らせる
  • ビジネス・投資環境が充実している
  • 居住ビザが充実している

近未来的な都市で生活できる

ドバイは、世界でも有数の近未来的な都市として知られています。超高層ビルが立ち並び、最先端のテクノロジーが生活に組み込まれているため、快適な環境で生活できます。

ドバイの象徴ともいえるのが、その圧倒的なスカイラインです。世界一高いビル・ブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa)をはじめ、300mを超える超高層ビルが多数存在しています。これらのビルはオフィスだけでなく、住宅、ショッピングモール、レストラン、エンターテイメント施設などが一体化した複合施設として機能しており、都市の利便性を大幅に向上させています。

市内の交通インフラも発展しており、ドバイメトロ(Dubai Metro)は世界最長の無人運転鉄道として知られています。タクシーシステムも近代化されており、配車アプリを活用して簡単に乗車できるようになっています。

治安が良く、安心して暮らせる

ドバイは世界的にも治安が良い都市として知られています。厳格な法律と監視体制が整っており、犯罪発生率が低いことが特徴です。街中には監視カメラが設置されており、女性や子どもも安全に暮らせる環境が整っています。警察のパトロールも頻繁に行われているため、夜間でも安心して外出できます。

世界の都市の生活環境情報をデータベース化した「Numbeo(ナムベオ)」の安全指数2024年版によると、ドバイは4位にランクインしています。日本も治安の良い国ですが、同調査によると東京が25位、大阪が88位です。

出典:Numbeo Safety Index by City2024

ビジネス・投資環境が充実している

ドバイは中東最大のビジネスハブとしての地位を確立しており、世界中から企業が集まる国際都市です。フリーゾーン(経済特区)では、外資100%の会社設立が可能であり、法人税や関税の免除を受けられるメリットがあります。

すでに多くの外国企業がドバイに拠点を置き、ビジネスを展開しており、人脈の構築もしやすくなっています。これから起業しようという人にとっては、最高のビジネス環境が整っているといえるでしょう。

居住ビザが充実している

近年、ドバイでは長期滞在を可能にする居住ビザの制度が拡充されています。不動産への投資によって取得できる「不動産ビザ」や、優秀な人材向けの「ゴールデンビザ」など、多様な選択肢が用意されています。

不動産ビザを取得するには、最低50万ディルハム(約2,000万円相当)の不動産を購入する必要があります。購入する物件は、住宅用でも商業用でも対象となります。

ゴールデンビザは、高度な専門技術を持つ人材や、一定額以上の投資を行った人に与えられる長期滞在ビザであり、最長10年間の滞在が可能です。これにより、ビジネスオーナーや投資家は安定した環境で事業の経営に専念できます。

ドバイ移住のデメリット

ドバイには多くの魅力がある一方で、デメリットも無視できません。移住を検討する際には、これらの点を理解した上で判断する必要があります。

  • 生活コストが高い
  • 砂漠気候でとにかく暑い
  • 砂漠気候でとにかく暑い
  • イスラム文化・宗教への配慮が必要になる
  • 社会保障制度が未整備

生活コストが高い

世界一物価が高いとされるスイスやシンガポールと比べるとまだ良いですが、ドバイは日本と比べると物価が高く、生活コストが高くつきます。特に、最近は不動産価格が高騰しており、それに連動して都心部を中心に家賃が高騰しています。快適な住環境を確保するには、相応の費用がかかるといえます。

食品や日用品の多くは輸入品であるため、価格が高めに設定されています。外食費や娯楽費も比較的高額であり、高級レストランは価格が割高になる傾向があります。

砂漠気候でとにかく暑い

ドバイは典型的な砂漠気候に属しており、夏になると気温が50℃を超える日もあります。特に6月から9月にかけては猛暑が続き、日中の外出が困難になります。直射日光が強く、地面や建物の表面温度も非常に高くなるため、外を歩く際には注意が必要です。

夏季は湿度も高く、特に沿岸部では湿度90%を超える日もあります。そのため、屋外での活動時には熱中症対策が不可欠であり、水分補給をこまめに行うことが推奨されます。ドバイでは生活リズムを気候に適応させることが求められます。

イスラム文化・宗教への配慮が必要になる

ドバイはイスラム教の国のため、移住者は現地の宗教や文化に対する理解が求められます。

飲酒には一定の規制があり、許可された場所でのみアルコールの購入・消費が可能です。公共の場では露出の多い服装を避けることが推奨されており、宗教的な施設を訪れる際には慎重な服装選びが必要です。

ラマダン(断食)期間中は、日中の飲食が制限されるため、移住者も一定のルールを守る必要があります。こうした文化の違いを理解し、尊重するようにします。

社会保障制度が未整備

ドバイでは、日本のような公的な年金制度が整備されていません。長期的なライフプランを考える上で、社会保障の面をしっかりと検討する必要があります。

ドバイ移住に向いている人

ドバイはすべての人にとって理想的な移住先とは限りませんが、特定の条件に当てはまる人にとっては、大きなメリットを享受できる環境が整っています。

  • 節税を最大限活用したい人
  • 高収入の仕事を持っている人
  • ビジネス・投資で海外展開を考えている人

節税を最大限活用したい人

ドバイのタックスヘイブン施策については解説したとおりですが、高所得者や投資家の人にとっては、税負担がほぼゼロであるため、利益を再投資しやすい環境が整っています。会社経営者にとっても、法人税が9%と低く抑えられている点が魅力です。

高収入の仕事を持っている人

ドバイは物価が高めで、家賃や生活費がかかる都市ですが、所得税がないため、高収入の職業に就いている人にとっては手取り収入が増え、有利な環境となります。

金融、IT、医療、エネルギー関連の専門職は、ドバイで高い需要があり、優遇された待遇で働けます。多国籍企業の地域本部が集まるドバイでは、グローバルなキャリアを築くチャンスも広がります。

また、リモートワークが普及する中で、高収入のフリーランスやデジタルノマドにとっても、ドバイの税制は大きなメリットをもたらします。

ビジネス・投資で海外展開を考えている人

ドバイは、中東やアフリカ市場へのゲートウェイとしての役割を果たしており、国際ビジネスの拠点としてプレゼンスを増している都市です。

経済の発展とともに不動産市場が活性化しており、不動産投資家にとっても魅力的な市場です。さらに、ドバイは仮想通貨やWeb3.0(ウェブスリー)関連のビジネスも非常に盛んであり、エコシステムが形成されています。政府はブロックチェーン技術の活用を推進しており、仮想通貨に関わる起業家や投資家にとっても、ドバイは最適な環境の一つといえるでしょう。

まとめ

ドバイのタックスヘイブン施策は、富裕層や企業経営者にとっては極めて魅力的です。優遇税制を最大限に活用できる人にとっては理想的な移住先となりますが、一方で、家賃や物価の高さ、気候の厳しさ、社会保障制度の未整備などの課題もあります。

移住を決断する際には、メリットとデメリットの両面をしっかりと把握し、自分のライフスタイルや経済状況と照らし合わせて選択するようにします。快適なドバイ生活を実現するために、十分な準備と情報収集を行いましょう。

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